勃起障害(読み)ぼっきしょうがい

食の医学館「勃起障害」の解説

ぼっきしょうがい【勃起障害】

《どんな病気か?》


〈心因性のものは若い人に増加傾向あり〉
 勃起障害(ED)とは、性交に十分な勃起(ぼっき)が起こらず、満足な性交が行えない状態です。日本性機能学会によれば、「性欲、勃起、性交、射精、オーガズムのいずれかが欠如、または不十分なもの」と定義されています。
 原因は、心因性障害と器質性障害とに大別されます。
 前者は、体のどこにも障害のないものをさし、後者は、陰茎(いんけい)そのものの障害のほか、神経や血管の障害、内分泌(ないぶんぴつ)の病気などのあるものをさします。
 性交時には勃起しなくても、自慰(じい)で射精(しゃせい)ができたり、いわゆる「朝立ち」が十分にある場合は心因性障害です。勃起障害の大部分はこのタイプで、最近、若い人に増加傾向がみられます。
 また、加齢糖尿病(とうにょうびょう)によるものなど、器質性障害と心因性障害とをあわせもつケースもあります。

《関連する食品》


〈亜鉛の滋養強壮効果に期待〉
○栄養成分としての働きから
 性的能力の低下に効果的といわれるのは亜鉛(あえん)です。亜鉛は「セックス・ミネラル」とも呼ばれ、不足すると生殖(せいしょく)能力が衰えて妊娠しにくくなるといわれています。
 男性の前立腺(ぜんりつせん)にも大量に存在しており、性ホルモンの合成にかかわって、精子(せいし)づくりを活発にする役割をになっています。
 亜鉛を多く含む食品はカキ、牛もも肉、レバー、ウナギなどです。なかでもカキに含まれる亜鉛量は格段に多く、100g中13.2mgと推奨量(13mg/日)を上回るほどです。
 昔から「精がつく」といわれている食べものには、ヌルヌルした食品が多いのですが、ヤマノイモ、オクラ、ナメコ、ウナギ、納豆などのぬめりのもとはムコ多糖体です。
〈心身を健康にするビタミンB群やE、グルタミン酸も有効〉
 勃起障害には、元気な体をつくると同時に、精神状態を安定させる作用がある、ビタミンB群も有効です。
 ビタミンB群は、協力しあってエネルギーの供給や老廃物の代謝(たいしゃ)にかかわるため、どれか1つを単独でとるより、まんべんなく摂取したほうが効果的です。
 B群全般を含む食品には、玄米(げんまい)や小麦胚芽(こむぎはいが)、レバー、牛乳、青背の魚などがあります。
 老化防止のビタミンとして知られるビタミンEには、性ホルモンの分泌(ぶんぴつ)をうながし、生殖機能の衰えを防ぐ働きもあります。
 ビタミンEはアーモンドなどのナッツ類や、ウナギ、たらこ、ブロッコリー、青菜やカボチャなどに多く含まれています。
 また、アミノ酸の一種であるアルギニンは、精子数を増加させる作用があります。アルギニンは、魚類の白子に多く含まれています。
 これらの食品を十分にとり、ゆっくり休養をとって、あまり気にしないようにすることがED改善の早道です。

出典 小学館食の医学館について 情報

知恵蔵「勃起障害」の解説

勃起障害

性交時に十分な勃起が得られない、あるいは十分な勃起が維持できないため、満足な性交が行えない状態。40〜70歳の男性の半数以上が勃起障害になっていると考えられている。機能性と器質性に分類されるが、大部分は機能性である。機能性勃起障害の原因としては、加齢や精神的ストレスがある。それ以外に、高血圧症、高脂血症、糖尿病などのいわゆる生活習慣病も関係している。治療としては、生活習慣病が関連している場合は、まずこれらの治療を行う。また、内服薬として、クエン酸シルデナフィル(商品名「バイアグラ」)や塩酸バルデナフィル水和物(商品名「レビトラ錠」)を投与する。心因性の場合は、カウンセリングを行う。

(今西二郎 京都府立医科大学大学院教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

六訂版 家庭医学大全科「勃起障害」の解説

勃起障害
ぼっきしょうがい
Erectile dysfunction
(こころの病気)

 勃起力(硬さ)と持続力に障害がある状態です。原因は、心因性のほかに血管性、神経性、内分泌性の勃起障害があり、さらに薬物アルコール、たばこなどによる外因性勃起障害もみられます。

 心因性のなかで多いのは、「今夜はうまくいくだろうか」という予期不安です。失敗が繰り返されることで、性交場面になるとこの不安が毎回同じように出現し、条件反射的に勃起を損なってしまうタイプです。

 治療法には、大きく分けて①心理療法、②行動療法、③薬物療法、④外科的療法があります。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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