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動静脈瘻 どうじょうみゃくろう arterio-venous fistula

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

動静脈瘻
どうじょうみゃくろう
arterio-venous fistula

動脈瘤の亜型。血管損傷により動脈と静脈が短絡し,毛細血管を経ない異常な交通路が動脈と静脈の間に生じた状態をいう。拡張した静脈が動脈のように拍動する。大部分が外傷性で,先天性は少い。動脈血が直接静脈内に入ってしまうので,末梢にうっ血が起って静脈瘤や皮膚潰瘍ができたり,心臓に負担がかかって心肥大が起ったりする。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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家庭医学館の解説

どうじょうみゃくろう【動静脈瘻 Arteriovenous Fistula】

[どんな病気か]
 動静脈瘻(「動静脈瘻」)は、体循環系(たいじゅんかんけい)(体動静脈瘻)、肺循環系(はいじゅんかんけい)(肺動静脈瘻)、心臓を養う血管系である冠循環系(かんじゅんかんけい)(冠動静脈瘻あるいは単に冠動脈瘻)にみられます。
 肺動静脈瘻の場合は、毛細血管を経ないため、ガス交換が行なわれず、酸素の含量の少ない静脈血がそのまま肺静脈にかえってくるため、チアノーゼがみられることがあります。
 冠動脈瘻の場合は、心筋でのガス交換や栄養の伝達が悪くなり、心筋虚血(しんきんきょけつ)(心筋に十分血液がまわらない状態)をおこすことがあります。
 体動静脈瘻の場合は、短絡(たんらく)する血液を補うため、体循環血液量(心拍出量(しんはくしゅつりょう))が増加した状態になります。
 正常の状態でも、毛細血管を経ずに小動脈から小静脈に流れる血液があることが知られていますが、これはごく一部であり、日常生活においてはとくに問題となりません。
[治療]
 肺動静脈瘻の治療は、チアノーゼの程度、短絡量の大小により、必要があればカテーテル治療や手術が行なわれます。ときに、治療が困難な場合もあります。
 冠動脈瘻の治療には、短絡量の大小、心筋虚血の有無により、カテーテル治療や手術が行なわれます。
 体動静脈瘻の場合は、短絡量すなわち心拍出量の増大、あるいは動静脈瘻のある部位や臓器の局所症状が、治療を必要とするかどうかを判断するポイントになります。治療には、カテーテル治療や手術が行なわれています。また、治療が困難な場合もみられます。

どうじょうみゃくろう【動静脈瘻 Arteriovenous Fistula】

[どんな病気か]
 動脈を流れてきた血液は、毛細(血)管を経由してから静脈へと流れていきます。ところが、異常な短絡(たんらく)交通路ができ、毛細管を経(へ)ないで動脈と静脈が直接つながってしまうことがあります。これを動静脈瘻といいます。
[原因]
 生まれつき(先天性)のものと、後天性(外傷性)のものとがあります。
■先天性動静脈瘻(せんてんせいどうじょうみゃくろう)
 胎内(たいない)での血管の形成に異常があり、成長とともに、しだいに瘻(ろう)(組織が欠損した状態)ができるものです。血管腫(けっかんしゅ)も、程度の差はあれ、瘻を形成していることが多いのです。1か所だけではなく、いろいろな部位、とくに手足、脊髄(せきずい)、脳、肺などにできやすいといわれています(「動静脈瘻」)。
■後天性(こうてんせい)(外傷性(がいしょうせい))動静脈瘻(どうじょうみゃくろう)
 刃物などによる刺創(しそう)や銃創(じゅうそう)など、外傷によるものがもっとも多く、カテーテル検査後に生じることもあります。
[症状]
 小さな短絡では、無症状あるいは局所症状のみです。しかし、短絡量が多くなると静脈径が大きくなり、静脈瘤(じょうみゃくりゅう)や腫(は)れを生じます。また血流量が増加するので心臓の負担が多くなり、左心室(さしんしつ)が肥大して心不全(しんふぜん)をおこすこともあります。
 一方、短絡部より末梢(まっしょう)(心臓より遠い)側では血液量が減少するため、循環障害による冷感、痛み、チアノーゼなどが現われます。
[検査と診断]
 診断を確定させるため、あるいは治療法を決めるために、血管造影や超音波検査などが行なわれます。
[治療]
 瘻孔(ろうこう)が大きい場合は、外科的に、短絡している動静脈を縛り、病変部を切除する手術が行なわれます。
 瘻孔が小さい場合は、カテーテルという細い管を血管内に挿入して短絡血管を閉塞(へいそく)させる方法が行なわれます。
 先天性のもので、異常血管が筋肉や骨におよんだり、広範囲におよぶ場合は、外科治療やカテーテル治療がむずかしくなります。その際には、弾力ストッキングを使って腫れを抑え、むりをせずけがしないように心がけます。

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世界大百科事典 第2版の解説

どうじょうみゃくろう【動静脈瘻 arteriovenous fistula】

動脈と静脈の間に異常な交通を生じ,短絡した状態をいう。先天性のものと外傷による後天性のものとがある。胎児期には動静脈間に無数の交通があるが,先天性のものは正常には生後閉鎖するはずの胎生期の交通路が開いたまま残ったもので,治療は困難なことが多い。外傷性のものは銃弾や刃物などにより四肢の動静脈に穿通(せんつう)性の外傷を受けた場合に起こりやすく,動静脈間の短絡が1個のことが多いので手術が可能である。【三島 好雄】

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

動静脈瘻
どうじょうみゃくろう

動脈と静脈との間に異常交通を生じた状態をいう。血管の拡張を伴うことが多いので動静脈瘤(りゅう)ともよばれたが、動静脈瘻とよぶのが正しい。圧の高い動脈から毛細血管を経ないで静脈に向かって血液が直接流入するので、静脈系の圧が高まり、末梢(まっしょう)血行の障害がおこる。また心臓にも悪影響を及ぼす。原因としては、先天性のものは胎生期の動静脈原基の発生学的異常によるものとされ、四肢、脳、肺に多い。細小の交通路が無数に存在し、複雑なものが多い。後天性には、戦傷や刺傷などによる外傷性のものと、動脈瘤が並行して走る静脈内に破裂して交通路(短絡路)をつくる場合とがある。外傷性動静脈瘻は大腿(だいたい)、鎖骨下、膝窩(しっか)(ひかがみ)、腋窩(えきか)(わきの下)、総頸(けい)動脈に好発する。治療は、動静脈間の異常短絡が無数に存在するような先天性のものでは手術が困難な場合が多いが、交通路がわりあいに単純で、限局していれば外科的手術で比較的容易に治すことができる。[竹内慶治]

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世界大百科事典内の動静脈瘻の言及

【血管雑音】より

…血流速度の増大,血液粘性の減少,血管壁の粥(かゆ)状硬化などによって生ずる血管の雑音。動脈瘤(りゆう),動静脈瘻(ろう)などで発生するが,正常でも動脈を強く圧迫すると発生する。動脈瘤の雑音は収縮期雑音で軟らかく短い。…

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