十日町盆地(読み)トオカマチボンチ

デジタル大辞泉 「十日町盆地」の意味・読み・例文・類語

とおかまち‐ぼんち〔とをかまち‐〕【十日町盆地】

新潟県南部にある盆地。中心都市は十日町市関田せきた山地魚沼丘陵にはさまれた山間盆地で、十日町市中部から中魚沼津南つなん町に広がる。信濃川の上流域で、河岸段丘が発達している。

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改訂新版 世界大百科事典 「十日町盆地」の意味・わかりやすい解説

十日町盆地 (とおかまちぼんち)

新潟県南部,信濃川中流域にある紡錘形構造盆地。東頸城(ひがしくびき)丘陵と魚沼丘陵にはさまれる。全国有数の河岸段丘が発達し,ことに南西部の津南段丘群と北東部の川西・十日町段丘群が顕著である。低位段丘面は溜池造成と揚水ポンプ設置により水田化され,圃場整備も進んで良質の魚沼米を産する。旧十日町市(2005年の合併前の自治体)などの中心集落や国道117号線,JR飯山線はこの面に立地している。典型的な豪雪地帯で,中門造の民家がみられ,冬季の出稼者は少なくない。信濃川および支流中津川の水と段丘崖を利用して,JR千手(せんじゆ)発電所,東京電力信濃川発電所などの水力発電所が設置されている。冬季の副業として始まった機織は出機(でばた)として定着し,製品の集散地として旧十日町市が発展した。津南町の高原トマト,十日町市の旧川西町の漬物は特産品である。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「十日町盆地」の意味・わかりやすい解説

十日町盆地
とおかまちぼんち

新潟県南部の、信濃(しなの)川上流にある関田(せきた)山地と魚沼(うおぬま)丘陵に挟まれた山間盆地。南北に細長い紡錘状の断層角窪(くぼ)地で、第四紀末の激しい地盤運動を受けて盆地底は全国有数の高位段丘群が発達している。盆地の中心は高級絹織物産地として知られる十日町市で、主要道路や集落もここにある。高位段丘は原(はら)とよばれ、正面原(しょうめんがはら)、桔梗原(ききょうがはら)、南雲原(なぐもはら)、狢原(むじなはら)、伊達原(だてっぱら)などの大未開拓面が続いているが、最近は苗場(なえば)山麓(ろく)開発事業で開拓が進んでいる。

[山崎久雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「十日町盆地」の意味・わかりやすい解説

十日町盆地
とおかまちぼんち

新潟県南部,信濃川の中流域で,魚沼丘陵と東頸城丘陵との間にある盆地。信濃川の両岸には河岸段丘が発達し,特に右岸の苗場山北麓付近では9段の河岸段丘が認められる。段丘面には原の地名が多く,畑地,水田化は進んでいるが,未開地も多い。豊富な水量と段丘地形は早くから水力発電に利用されてきた。盆地の中心十日町市は機業の町で,農村部には出機 (でばた) が多い。近年国営による苗場山麓の農業開拓事業が行われた。豪雪地帯なので,冬季は交通が難渋する。信濃川に沿って JR飯山線が通る。

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