小説家。本名古賀英正(こがひでまさ)。東京生まれ。中国山東省の青島(チンタオ)中学、旧制山口高校を経て1930年(昭和5)東京帝国大学法学部を卒業。33年経済学部を卒業。国学院大学教授、中央大学、立正大学などでも金融論、経済対策を講じるかたわら、42歳で小説を書き始め、56年(昭和31)『燈台鬼(とうだいき)』で直木賞、82年『細香(さいこう)日記』で吉川英治文学賞を受賞。59年、短編集『残酷物語』によって残酷ものブームを起こした。著者の大陸体験を反映し、武家社会の非情さが現代にも通じる人間疎外の原型として描き出されている。
[磯貝勝太郎]
『『残酷物語』(1959・中央公論社)』▽『『灯台鬼』(1974・東京文芸社)』▽『『細香日記』(1981・講談社)』▽『『戦国残酷物語』(角川文庫)』
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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