灯台鬼(読み)トウダイキ

デジタル大辞泉 「灯台鬼」の意味・読み・例文・類語

とうだい‐き【灯台鬼】

頭に灯台をのせた鬼。遣唐使として唐に渡ったかる大臣が、皇帝によって額に灯台を打ちつけられ、鬼の姿に変えられたというもの。源平盛衰記に見える。
南条範夫の短編歴史小説。説話モチーフとする。昭和31年(1956)5月、雑誌オール読物」に発表。同年、第35回直木賞受賞。同作を表題作とする作品集も、同年に刊行され、ほかに「畏れ多くも将軍家」「不運功名譚」などの作品を収録

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精選版 日本国語大辞典 「灯台鬼」の意味・読み・例文・類語

とうだい‐き【灯台鬼】

  1. [ 1 ] 頭に灯台をのせた鬼。遣唐使として唐に渡った軽の大臣が、唐帝によって姿を鬼に変えられたという説話の主人公
    1. [初出の実例]「かしらに燈台という物打、身にはゑをかきて燈台鬼と云名を付て侍ける」(出典:宝物集(1179頃))
  2. [ 2 ]てんとうき(天灯鬼)

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デジタル大辞泉プラス 「灯台鬼」の解説

灯台鬼(とうだいき)

日本妖怪。「平家物語」、「源平盛衰記」、「和漢三才図会」などに記述がある。遣唐使として中国に渡った人物が、頭に燭台を打ちつけられ、鬼に変化(へんげ)させられたものとされる。江戸時代画家鳥山石燕(せきえん)の画集「今昔百鬼拾遺」では、頭の上に燭台を載せ、唐人風の衣装を着た人物として描かれている。

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