南極石(読み)なんきょくいし(その他表記)antarcticite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「南極石」の意味・わかりやすい解説

南極石
なんきょくいし
antarcticite

ハロゲン化鉱物の一つ。1965年(昭和40)鳥居鉄也(てつや)(1918―2008)、小坂丈予(おさかじょうよ)(1924―2011)によって報告された新鉱物。強力乾燥剤として用いられる化学物質はその無水物。原産地は南極ドンファン池Don Juan Pondで、非常に乾燥した気候条件下にある高濃度の塩湖沈殿物自形針状。その後アメリカ、カリフォルニア州のブリストル乾塩湖Bristol Dry Lakeからも発見されたほか、南アフリカのブッシュフェルト複合岩体の一部に発達したペグマタイト質部分の石英の包有物としても発見された。命名産地にちなむ。

加藤 昭 2018年5月21日]


南極石(データノート)
なんきょくいしでーたのーと

南極石
 英名    antarcticite
 化学式   CaCl2・6H2O
 少量成分  Na,Mg
 結晶系   三方
 硬度    2~3
 比重    1.70
 色     無
 光沢    ガラス
 条痕    無
 劈開    一方向に完全
       (「劈開」の項目参照

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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