日本大百科全書(ニッポニカ) 「南濃」の意味・わかりやすい解説
南濃
なんのう
岐阜県南西部、海津郡(かいづぐん)にあった旧町名(南濃町(ちょう))。現在は海津市の西部を占める地域。1954年(昭和29)城山町と石津、下多度(しもたど)の2村が合併して南濃町と改称。2005年(平成17)海津町、平田町と合併して市制施行、海津市となる。旧町域は、養老山地の東斜面の扇状地、揖斐川(いびがわ)沿いの低地にまたがる。低地では稲作、養老山地山麓(さんろく)の北部では富有(ふゆう)ガキ、南部ではミカンが栽培される。国道258号沿いに輸送機器、繊維などの工場などがある。養老鉄道などにより、名古屋・桑名方面への通勤者が多い。北部の庭田・羽沢(はざわ)貝塚(ともに縄文期、県指定史跡)が有名。また、明治につくられた砂防ダムである羽根谷砂防堰堤は1997年に国の登録有形文化財となっている。
[上島正徳]
『『南濃町史』全2巻(1977、1982・南濃町)』