南郷谷(読み)なんごうだに

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「南郷谷」の意味・わかりやすい解説

南郷谷
なんごうだに

熊本県北東部,阿蘇山中央火口丘の南に広がる火口原面積約 23km2高森町南阿蘇村に属する。白川の河谷に沿い水田が開け,中央火口丘の山麓外輪山斜面放牧採草地に利用されている。根子岳山麓では高冷地野菜の栽培が盛ん。西部には栃木温泉垂玉温泉などの温泉地がある。国道 265号線などが整備され,中央火口丘山麓部を回遊する観光ルートがつくられている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「南郷谷」の意味・わかりやすい解説

南郷谷
なんごうだに

熊本県東部、阿蘇カルデラ(あそかるでら)の南半を占め、主として火口原沖積層からなる低地。行政区域的には阿蘇郡高森町(たかもりまち)、南阿蘇村(みなみあそむら)にまたがる。中央をほぼ西流する白川には渓谷が目だつ。産業的には純粋な農業地帯であるが、いずれの町村ペンション、保養基地、休暇村の建設のほか、雄大な阿蘇の自然を利用したレジャーランドの建設にも意欲的に取り組んでいる。このことはまた、第三セクター方式で経営されている南阿蘇鉄道(旧、国鉄高森線)の浮沈にもかかわっている。さらに変革は農業経営にも及んでおり、準高冷地の気候と園芸施設の人工管理とを巧みに併用した抑制栽培によるスイカメロン、トマトの生産が拡大しつつある。

[山口守人]

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改訂新版 世界大百科事典 「南郷谷」の意味・わかりやすい解説

南郷谷 (なんごうだに)

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世界大百科事典(旧版)内の南郷谷の言及

【阿蘇氏】より

…80年(治承4)大宮司となった惟泰は領家源定房の荘官の地位を兼務,翌年菊池隆直と反平氏の挙兵を共にした。その子惟次のころには,それまで氏人の中から選ばれ,任期制の形式を残していた大宮司の地位は惣領に独占世襲されるようになり,開発した南郷谷の私領諸村は預所・地頭の地位を得た鎌倉幕府執権北条宗家の安堵を受けるに至った。元弘の乱では菊池氏とともに日向鞍岡で北条方と戦い,戦功として建武政府から阿蘇郡の本社領と甲佐・健軍・郡浦の末社支配権が,本家職・領家職を含めて与えられ,大宮司の支配権は強化された。…

【阿蘇山】より

…最終期の噴出物の年代測定結果は約3万~5万年前となっていて,約3万年以前にカルデラが形成されている。カルデラ中央部の凹地は一時期湖であり,その後,中央火口丘群が噴出し,湖水は消失し,北と南にそれぞれ阿蘇谷,南郷(なんごう)谷と称する平地が出現し,現在の姿となった。阿蘇谷にはカルデラ北半部の水を集めて黒川,南郷谷にはカルデラ南半部の水を集めて白川が貫流している。…

※「南郷谷」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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