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印肉 インニク

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デジタル大辞泉の解説

いん‐にく【印肉】

印章を押すときに用いる、顔料を染み込ませたもの。もぐさやパンヤに朱・黒・青などの色を染み込ませ、ひまし油でのばしたもの。現在は、朱肉と同じ意味でいう場合が多い。にく。印泥。

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世界大百科事典 第2版の解説

いんにく【印肉】

印章を押すのに使う色料。中国では印色または印泥という。その起源は明らかでないが,漢時代ころには文書の封じ目に,ちょうどヨーロッパの封蠟のように一種の粘土を使い,その泥に印を押した。これを封泥という。そのため後に朱印を使うようになってからでも,朱肉のことを印泥と呼ぶのである。隋・唐時代からは朱印で押した実物が現存しているが,ことに正倉院文書には8世紀の実物が多く残っている。このころの肉は〈水印〉といって油けのない水性の朱砂(辰砂(しんしや))を使っている。

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大辞林 第三版の解説

いんにく【印肉】

判子を押すときに使う顔料をしみ込ませたもの。艾もぐさ・パンヤなどに、ひまし油・松脂まつやに・白蠟を混ぜて着色し、これを判子に付着させて押し写す。印泥。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

印肉
いんにく

印章や印鑑などに付着させて押し写すための色料。朱色が多いことから朱肉ともいう。落款(らっかん)用、公用などの高級朱肉は銀朱(硫化水銀)などを原料としているが、事務用などの一般朱肉には金属朱、代用朱などが用いられている。普通これらの原料にひまし油や繊維などを混ぜ、練り合わせてつくるが、繊維のかわりに朱油をパッドに浸透させたスポンジ朱肉もある。印肉は、中国南北朝時代に書画の落款に使われたのが最初で、日本へは仏教伝来とともに渡来し、奈良時代に官印として使われだした。一般に普及したのは明治以降、つまり署名捺印(なついん)をもって証(あかし)とする風習が定着してからのことである。現在、一般事務用朱肉として広く使われているスポンジ朱肉は、第二次世界大戦後に合成樹脂のスポンジ体が開発されてからで、簡便なため急激に普及した。[野沢松男]

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世界大百科事典内の印肉の言及

【印章】より

…郡印,郷印,大社寺印などがこれに該当する。印肉はすべて朱(丹)色で,黒印は古代ではわずかに蔵書印として使用されたにすぎない。黒印を古文書に使用するのは中世に入ってからである。…

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