製品1単位の生産に標準的に必要な投入物の数量をいい,〈原単位〉を一定の尺度で数量計算することを〈原単位計算〉という。たとえば,粗鋼1tの製造に必要とされる鉄鉱石・コークス・重油等の数量や労働時間などが,各投入物についての原単位である。原単位は原価計算における標準原価の算定基礎として重要な概念であるが,そのほかにも,相異なる技術の水準を相互に比較するための基準として利用される。たとえば,日本の製鋼技術の優秀性は,コークス原単位(コークス比(kg/t)=コークス÷銑鉄)の他国に比べての低水準として現れる。原単位は個別企業ないし産業レベルでの概念であるが,投入産出分析(産業連関表)に現れる投入係数は,マクロ・レベルの分析における原単位の対応物である。
執筆者:時子山 和彦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
1単位の製品を生産するのに要する原材料,電力,蒸気,用水,熱(燃料),労働力などの量をいう.原材料に関しては原料原単位,電力,蒸気,用水,熱などに対してはユーティリティ原単位ともいう.多くの化学製品については実績にもとづいて公表されている.これらは製造原価などを推定するのに用いられる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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