ローマ法学者。東京帝国大学教授。同大学に学び、春木一郎、中田薫(かおる)に師事した。ドイツでは、コシャーカーP. Koschakerのもとで、とくに『学説彙纂(いさん)』の法文が、真にローマの法学隆盛時代のものかどうかの研究に本格的に取り組みつつ、ローマ法学が今日の法律学にいかに寄与すべきかという観点から法典、法原則の成り立ちを、徹底した実証的手法で歴史的に追究した。また、固有のローマ法を明らかにするため、楔形(くさびがた)文字法、パピルス学、アッシリア学を修め、この分野で日本における先駆者として研究の視野を拡大し、日本のローマ法学の水準を高めるため決定的役割を果たした。第二次世界大戦後、日本法制史学会の設立にあたっては、初代の代表理事を務めた。主著に『ローマ法』『楔形文字法の研究』『ローマ法の原理』『日本民法典の史的素描』などがある。
[佐藤篤士]
『『ローマ法』(1949・有斐閣)』▽『『楔形文字法の研究』(1949・弘文堂)』▽『『日本民法典の史的素描』(1954・創文社)』
昭和期のローマ法学者 東京帝大教授。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報
出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報