明治〜昭和期の法制史学者 東京帝国大学名誉教授。
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日本法制史の学者。法学博士。1900年(明治33)東京帝国大学法科大学政治学科を卒業。ただちに大学院に入り、宮崎道三郎教授の下で鎌倉時代の法制を研究。その研究報告として06年に発表した『王朝時代の庄園(しょうえん)に関する研究』は日本史学上の古典とされる。02年に東京帝国大学助教授、11年教授。宮崎博士によって基礎を据えられた日本法制史学は、博士によって体系化された。その研究は日本法制史の各時代各部門にわたるが、江戸時代および明治初年の村および入会(いりあい)に関する研究は、現行法上の入会問題の解明に多大の貢献をした。外国法ことに中国法に関する造詣(ぞうけい)も深かった。25年(大正14)に帝国学士院会員となり、46年(昭和21)には文化勲章を受けた。
[石井良助]
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1877.3.1~1967.11.21
明治~昭和期の日本法制史家。鹿児島県出身。東大卒。1902年(明治35)東京帝国大学助教授,11年教授。初期に荘園の研究や「知行論」などで,日本の中世法がドイツ中世の制度と類似することを明らかにし,後年の村や入会(いりあい)の研究でもドイツとの比較を通じてその法的性質を解明した。主要論文は「法制史論集」全4巻に収載。「徳川時代の文学に見えたる私法」も古典的価値をもつ。
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…その意味で,荘園公領制下の職は職務上の地位であるとともに領主財産・権益という二重の性格をもつといえる。中田薫の研究に代表される法制史学の側からは職を不動産物権として,純粋に権益的性格のものと見る傾向が強いが,職務・支配体制上の地位という側面も無視するわけにいかない。またこのころ山預職,絵所職など職能を示す職の用例も少なくないことから,職の本質を職能と見る考え方もあるが,これも職の一面をとらえたものというべきであろう。…
…
【日本】
日本の荘園についての従来の研究は大きく二つの潮流に分かれる。 第1は荘園を私的大土地所有の形態とみて,その内部構造を究明しようとする流れで,近代史学史の主流をなし,中田薫,朝河貫一,牧健二らにより,西欧との比較を通して確立した見方である。ただ中田薫が荘園領主権を公法上の支配権とし,朝河貫一が荘園とマナーの相違を強調,牧健二が職(しき)の官職的・公法的側面に着目するなど,西欧の封建制との違いにそれぞれ注目していることは見のがせない。…
…(2)西洋的概念の導入 (a)レーン制 日本の近代史学の封建制研究は,明治30年代にとつじょ三つの大輪の花を咲かせる。三浦周行《武家制度の発達》(1904ころ執筆,1925刊),中田薫《コムメンダチオと名簿(みようぶ)奉呈の式》《王朝時代の庄園に関する研究》(ともに1906),福田徳三《Die gesellschaftliche und wirtschaftliche Entwicklung in Japan(日本に於ける社会並経済的進化)》(1900。《日本経済史論》として邦訳1907)である。…
…〈法制史〉講座初代担当者宮崎道三郎はグリム兄弟のひとりヤーコプ・グリムの影響を受け,みずからは古代法を言語学ないし語源学的角度から探究することに没頭するとともに,ドイツ法制史の研究が日本法制史研究の参考のために必要だとして〈比較法制史〉講座設置を希望し,実現させたのである。宮崎門下の中田薫もドイツへ留学し,はじめ〈比較法制史〉講座を,宮崎の停年退官後は〈日本法制史〉講座を担当したが,日本法制史の研究にあたってほとんど終始ドイツ法制史との比較という方法をとりつづけた。 他方,京都帝国大学ではじめて法制史を講じた三浦周行は,帝国大学で学んだものの実質的には水戸学の流れをくむ学者で,ヨーロッパの歴史にはほとんど関心を示していないが,その後継者牧健二はドイツ封建制との比較で日本の武家支配体制を探究する方法を採用している。…
… しかし近代史学の発達とともに,律令の研究はその解釈にとどまらず,多方面にわたって深化した。中田薫の《法制史論集》に収める諸論文や滝川政次郎《律令の研究》は,太平洋戦争以前に発表された代表的な研究文献であるが,これらに共通するものは,中国律令法と日本律令法との相違を明らかにしようとする課題意識である。その点では,日本律令そのものを論じたものではないが,仁井田陞(にいだのぼる)《唐令拾遺》も逸することはできない。…
※「中田薫」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...
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