双頭の鷲(読み)ソウトウノワシ

デジタル大辞泉 「双頭の鷲」の意味・読み・例文・類語

そうとうのわし【双頭の鷲】[書名]

井上光晴短編小説。昭和27年(1952)2月、「一九四五年三月」の題で文芸誌「近代文学」に発表
佐藤賢一長編小説。平成11年(1999)刊。百年戦争で活躍したフランス軍人ベルトラン=デュ=ゲクランを主人公とする歴史小説

そうとう‐の‐わし〔サウトウ‐〕【双頭の×鷲】

頭が二つある鷲。二つの権威一つのからだに有していることの象徴として、古くは神聖ローマ帝国ロシア帝国ロマノフ朝オーストリア帝国などの紋章に描かれ、また、現在でもアルバニア国旗に使われている。
[補説]書名別項。→双頭の鷲

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精選版 日本国語大辞典 「双頭の鷲」の意味・読み・例文・類語

そうとう【双頭】 の 鷲(わし)

  1. 頭の二つある鷲。支配者権力者が二人いることのたとえ。
  2. 神聖ローマ帝国、オーストリア‐ハンガリー帝国、ロシア帝国の皇帝の紋章。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「双頭の鷲」の解説

双頭の鷲(そうとうのわし)

古代東方に起源を持ち,ローマ帝国,神聖ローマ帝国でも権力の象徴として用いられたが,15世紀末モスクワのイヴァン3世は,ビザンツ皇帝の姪と結婚するとともに,この紋章を継承し,以後ロシア皇帝の紋章とした。

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デジタル大辞泉プラス 「双頭の鷲」の解説

双頭の鷲

宝塚歌劇団による舞台演目のひとつ脚本:植田景子。2016年、宝塚バウホールにて宙組が初演。ジャン・コクトーがハプスブルク家皇妃エリザベート暗殺事件に着想を得て書いた同名戯曲を題材とするミュージカル

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世界大百科事典(旧版)内の双頭の鷲の言及

【ツァーリ】より

…ロシアの君主ではイワン3世がリボニア騎士団との交渉でツァーリを称したのが最初であるが,その公的使用はなおしばらくは限られていた。モスクワ大公がタタールに代わるロシア平原の支配者として現れ,西方の神聖ローマ皇帝との対等意識もめばえた15世紀末~16世紀初め,〈双頭の鷲〉の紋章や,ウラジーミル・モノマフがビザンティン皇帝から受領したとされる王冠〈モノマフの帽子〉が使われはじめ,大公家の系譜をローマ皇帝アウグストゥスにさかのぼらせる伝承も生まれ,イワン4世が1547年,最終的にツァーリをその公的称号に取り入れた。これには,当時モスクワ大公の権威の強化を望んでいたロシア教会の働きかけもあり,ツァーリは神意による地上の最高・絶対の統治者で専制君主とされた。…

※「双頭の鷲」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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