ベルトラン(その他表記)Marcel-Alexandre Bertrand

デジタル大辞泉 「ベルトラン」の意味・読み・例文・類語

ベルトラン(Aloysius Bertrand)

[1807~1841]フランス詩人。近代散文詩創始者とされる。肺結核のために早世したが、死後に出版された散文詩「夜のガスパール」はボードレールなどに大きな影響を与えた。

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精選版 日本国語大辞典 「ベルトラン」の意味・読み・例文・類語

ベルトラン

  1. ( Aloysius Bertrand アロワジュス━ ) フランスの詩人。本名ルイ=ジャック=ナポレオン。散文詩集「夜のガスパール」を書いた。近代散文詩の創始者とされる。(一八〇七‐四一

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改訂新版 世界大百科事典 「ベルトラン」の意味・わかりやすい解説

ベルトラン
Marcel-Alexandre Bertrand
生没年:1847-1907

フランスの地質学者。パリで生まれ,エコール・ポリテクニク,鉱山学校で学んだ後,フランス地質調査所に入り,1886年には鉱山学校教授,96年にはL.パスツールの後のアカデミー・デ・シアンス会員に選ばれた。アルプスほか各地で地質図作成のための調査を行って,論文《アルプス山脈とヨーロッパ大陸の形成》(1887)を発表し,山脈をつくっている押しかぶせ構造が,北から南への横圧力によるものとした。さらにヨーロッパ大陸は,北からカレドニア,ヘルシニア(バリスカン),アルプスという東西に延びる地帯からなり,それらは順次海底に堆積した地層が造山運動によって大山脈となって南に付け加わったもので,このことにより大陸が広がったとした。この考えは20世紀初めのドイツのシュティレWilhelm Hans Stilleの造山輪廻(運動)説に引き継がれた。
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ベルトラン
Aloysius Bertrand
生没年:1807-41

フランスの詩人。本名はLouis Jacques Napoléon。貧困と病気に苦しみ,肺結核で夭折する。死後刊行された散文詩集《夜のガスパールGaspard de la nuit》(1842)は,副題〈レンブラントとカロ風の幻想〉が示すように,造形美と幻想性を備え,フランスの散文詩の最初の傑作と見なされる。ボードレールは自らの散文詩集《パリの憂鬱》の着想をこの書から得たと認めており,ベルトランの影響はのちの高踏派象徴派にも及んでいる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベルトラン」の意味・わかりやすい解説

ベルトラン(Aloysius Bertrand)
べるとらん
Aloysius Bertrand
(1807―1841)

フランスの詩人。本名Louis Jacques Napoléon Bertrand。父(ナポレオン軍の将校)の赴任地、現在のイタリア領チェバで生まれる。王政復古により退役した父とともにディジョンに移り、この町を魂の故郷とする。リセを中退して文学を志し、地方新聞『プロバンシアル』を創刊、最初の詩作品を発表する。1829年、自ら開拓した新しい詩のジャンル、散文詩六十数編からなる『地方風俗画集』を携えてパリに出るが、出版のめどがたたず、失意と貧困を味わい故郷に戻る。32年、『夜のガスパール』と改題した散文詩集の草稿を持ってふたたびパリへ出、ロマン派の出版社ランデュエルと出版契約を結ぶ。しかし出版ははかどらず、極度の貧困に苦しむうちに結核に冒され慈善病院を転々とし、ついにネッケル病院で死亡。翌年、サント・ブーブの尽力で、『夜のガスパール』はアンジェのパビー書店から刊行された。

[及川 茂]


ベルトラン(Gabriel Emile Bertrand)
べるとらん
Gabriel Emile Bertrand
(1867―1962)

フランスの生化学者。パリに生まれる。1900年にパリのパスツール研究所員、1909年パリ大学教授、のちにパスツール研究所長となり、当時のフランス生化学の中心的人物であった。1923年にフランス学士院会員。彼の研究はガマ毒や蛇毒に関するものから始まり、その後フェノール酸化酵素であるラッカーゼを発見した。また微生物によってつくられる糖類の研究を行ったが、還元糖の定量法(ベルトラン法)の考案で有名である。さらに、生物体内や土壌中の金属などの微量分析法を検討し、各元素の分布を研究した。第一次世界大戦中は毒ガスの研究も行った。

[宇佐美正一郎]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベルトラン」の意味・わかりやすい解説

ベルトラン
Bertrand, Louis Marie Émile

[生]1866.3.20. ミューズ,スパンクール
[没]1941.12.6. アルプマリチーム,カップダンチーブ
フランスの小説家,評論家。エコール・ノルマル・シュペリュール (高等師範学校) に学んだ。処女作の評論『古典主義の終焉』 La Fin du classicisme (1897) ののち,『民族の血』 Le Sang des races (99) ,『恋人ペペート』 Pépète le bien-aimé (1904) など,北アフリカを舞台にした,写実的,抒情的な小説が多い。ほかに,小説『殉教の血』 Sanguis Martyrum (18) ,伝記『聖アウグスチヌス』 Saint Augustin (13) ,『ルイ 14世』 Louis XIV (23) など。アカデミー・フランセーズ会員 (25) 。

ベルトラン
Bertrand, Aloysius

[生]1807.4.20. イタリア,チェバ
[没]1841.4.29. パリ
フランスの詩人。本名 Louis Jacques Napoléon Bertrand。ディジョンに住んで地方新聞を主宰していたが,パリに出て,中世のディジョンを夢幻的に描いた散文詩集『夜のガスパール』 Gaspard de la nuitを書いた。作者の死後サント=ブーブによって出版 (1842) されたこの作品は,フランスで最初の散文詩の試みで,絵画的喚起力に富む韻律的な散文により,ボードレール,マラルメらの高い評価を受け,さらに 20世紀のシュルレアリストによる再評価を経て,今日ではロマン主義をこえる傑作とみなされている。生前は貧困と病に苦しみ,孤独のうちに結核で死亡。

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百科事典マイペディア 「ベルトラン」の意味・わかりやすい解説

ベルトラン

フランスの地質学者。1880年代における褶曲(しゅうきょく)山脈を中心とする構造地質学の発展に貢献。フランス・アルプスの逆転構造,アルプス全体の南から北へ押しかぶせた非対称的構造などを解明。またヨーロッパ大陸の起源を論じ,先カンブリア山地のまわりに,古生代中期のカレドニア山系,古生代後期のヘルシニア山系,さらに新生代のアルプス山系が配列することを示した。
→関連項目大陸成長説

ベルトラン

フランスの詩人。本名ルイ・ジャック・ナポレオン。生前は無名で,貧困のうちに死ぬ。死後1842年詩集《夜のガスパール》が出版された。これは幻想的で色彩豊かな65編の散文詩からなり,ボードレールの散文詩形式に影響を与えた。

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367日誕生日大事典 「ベルトラン」の解説

ベルトラン

生年月日:1867年5月17日
フランスの生化学者
1962年没

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