口内炎・口角炎(読み)こうないえんこうかくえん

食の医学館 「口内炎・口角炎」の解説

こうないえんこうかくえん【口内炎・口角炎】

《どんな病気か?》


〈ビタミンが欠乏し、疲れているときに起こる〉
 口の中の粘膜(ねんまく)にできる炎症を口内炎(こうないえん)、口のはしにできるただれ、ひび割れ、かさぶたなどを口角炎(こうかくえん)といいます。
 口内炎は、義歯(ぎし)や金冠(きんかん)などの刺激によるものもありますが、もっとも多いのは、過労や精神的ストレス、ビタミン不足、ウイルスの感染などによって起こるアフタ性口内炎です。
 この口内炎は、口の中に浅い円形の潰瘍(かいよう)(アフタ)ができるもので、ふちが赤くなり、さわるととても痛みます。一度に多数できたり、再発をくり返す場合もあります。
 口角炎は、子どもでは口角についたよだれや食べもののかす細菌が感染して起こることが多く、大人では、ビタミンB欠乏症で感染に対する抵抗力が低下しているときに細菌が感染して起こります。

《関連する食品》


〈ビタミンB群を豊富に含むレバーがおすすめ〉
○栄養成分としての働きから
 口内炎や口角炎はビタミンB群、とりわけ口内炎はビタミンB2、B6ナイアシンが、口角炎はビタミンB2、B6が不足すると起こりやすくなります。レバーはこれらすべてを含んでおり、しかもやわらかくて消化がよく、口に痛みがあるときにも食べやすいので、とても有効な食品です。
 そのほか、ビタミンB2ウナギ、サバ、カレイに、B6はマグロ、サンマ、牛乳に、ナイアシンはカツオトビウオ、ブリなどに多く含まれています。B群はとりだめできないので、毎日補給することがたいせつです。
 ビタミンAとCには細菌に対する抵抗力を強くする働きがあり、Aは粘膜を正常に保つ働きもあるので、日ごろからとるようにしましょう。
 動物性食品に含まれるビタミンAのレチノールは、レバー、ウナギ、チーズなどに多く含まれ、体内でビタミンAにかわるカロテンは、コマツナカボチャホウレンソウなどの緑黄色野菜に多く含まれています。
 ビタミンCは、ブロッコリーナノハナ、柿、イチゴなどからとるといいでしょう。ミカンやグレープフルーツなどの柑橘類(かんきつるい)にも豊富に含まれていますが、すっぱいものは口内炎や口角炎を悪化させる要因となるので、避けてください。また、熱すぎるものや冷たすぎるもの、塩分の強いものや辛みなどの刺激物を避けることもたいせつです。
 ビタミンE成分を患部に塗ると痛みが軽減され、炎症が治ったという報告もあります。Eのもつストレスをやわらげる作用も一役買っていると思われます。食事でとるならば、小麦胚芽油(こむぎはいがゆ)やアーモンド、ヒマワリ油、ウナギ、青背の魚などがおすすめで、Eが多く含まれています。

出典 小学館食の医学館について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android