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可塑性[脳科学] かそせい[のうかがく]plasticity

翻訳|plasticity

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

可塑性[脳科学]
かそせい[のうかがく]
plasticity

脳を構成する神経とそのネットワークは固定したものではなく,脳には自分とその周辺の状況に応じて変化する能力があること。脳の可塑性は個体の成長,学習・記憶,神経の再生など多くの現象にかかわることが知られている。たとえば,脳の神経が損傷を受けた場合でも,栄養補給,形態修復などでその機能が回復することがある。また,生後早い時期の神経細胞同士の結合は可塑的であり,その前後でネットワークが大きく変化することがわかっている。たとえば,ネコに縦じまだけを見せ横じまがない世界で飼育すると,横じまが見えないネコに成長することが知られている。これは神経系が自己組織的に構造を変化させる柔軟さに起因していると考えられている。また,神経細胞同士の接合点であるシナプスにあるパターンの電気インパルス (短時間の高頻度刺激) を与えると,シナプス伝導効率が変化し,さらに,このシナプスの伝導効率がしばらくの間保持される現象が起こる。これはシナプスの可塑性を表すが,代表的な例は,海馬 (脳の記憶固定に関係する部位) のニューロンにおけるシナプス長期増強現象である。この現象はかなり長い間持続するため,記憶を司る神経現象ではないかと注目されている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

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