司命(読み)しめい

精選版 日本国語大辞典 「司命」の意味・読み・例文・類語

し‐めい【司命】

  1. [ 1 ] 星の名。北斗七星の魁(かい)上方にある文昌宮六星の第四星。天帝の居所という北極星の傍にあり人間の寿命をつかさどるとされている。第五星の司中、第六星の司祿とともに三台星と称し、地上における三公のように天帝を補佐する高位の星。
    1. [初出の実例]「豈若聖化旁達、天居既成一葦之程、皇明遠覃、司命不上レ三科之算」(出典:菅家文草(900頃)一・九日侍宴、同賦天錫難老)
    2. [その他の文献]〔周礼‐春官・大宗伯〕
  2. [ 2 ] 〘 名詞 〙 生殺の権を握るもの。また、もっともたのみとするもの。
    1. [初出の実例]「為文章之司命(シメイ)人物之権衡〔与韓荊列書〕」(出典:文明本節用集(室町中))
    2. [その他の文献]〔管子‐山権数〕

司命の補助注記

書紀‐継体二一年八月(北野本訓)」には、「大将は民の司命なり」とあり、「司命」にイノチの訓が付けられている。

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改訂新版 世界大百科事典 「司命」の意味・わかりやすい解説

司命 (しめい)
sī mìng

中国において,本来,北斗七星の魁(かい)(桝(ます)の部分)の上方にある星座文昌宮六星の第4星を司命という。古来,人間の寿命をつかさどる天神と考えられ,《楚辞九歌には大司命少司命の2神が見え,文昌宮第5星の司中,第6の司禄とともに祭祀の対象とされた。とくに道教では人間の寿命台帳を管理し,人間の行為の善悪を監視する三尸虫(さんしちゆう)や竈神かまどがみ)の報告に基づいて寿命の増減を行う神と考えられた。
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普及版 字通 「司命」の読み・字形・画数・意味

【司命】しめい

神名。〔楚辞、九歌、大司命、清気に乗じ陰陽を御す、注〕司命は常に天のの氣に乘じ、民生死の命を持するを言ふなり。

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