改訂新版 世界大百科事典 「司空図」の意味・わかりやすい解説
司空図 (しくうと)
Sī kōng Tú
生没年:837-908
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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中国、晩唐の文学批評家。字(あざな)は表聖(ひょうせい)。河中(かちゅう)(山西省)の出身。官界での地位は皇帝の詔勅を起草する知制誥(ちせいこう)にまで至ったが、のち政乱を避けて郷里の中条山に隠棲(いんせい)し、唐最後の皇帝哀帝が殺されたと聞くと食を絶って死んだという。山水の風景を描写した詩に優れるが、むしろ詩の批評書『二十四詩品(にじゅうししひん)』1巻の著者として知られる。これは詩の味わいを24の品第(ほんだい)に分かち、それぞれに四言(よんごん)の詩による批評を付したもので、「韻味」を重視したことからうかがえるように甚だ唯心主義的な色彩が濃い。以降の中国における象徴的詩評の先駆的存在となった。『司空表聖集』(文集10巻、詩集5巻)を存する。
[野口一雄]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…最初の本格的な詩論として重要な意義を有し,後世の〈詩話〉の祖とされて,文学評論史の上に大きな位置を占める。いま一つの書は,晩唐の詩人司空図(しくうと)の著になる《詩品》1巻。詩中に表出される情趣を〈雄渾〉から〈流動〉に至る24類に分かって,それぞれの境地を四言12句の韻文にまとめてうたっている。…
※「司空図」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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