合理的配慮(読み)ごうりてきはいりょ

日本大百科全書(ニッポニカ)「合理的配慮」の解説

合理的配慮
ごうりてきはいりょ

障害者からの意思の表明に基づき、負担が過重でない範囲において、生活上の妨げとなる社会的障壁(バリア)を取り除くために状況に応じて行われる変更や調整のこと。reasonable accommodationの和訳。もともとは、アメリカにおいて、「障害をもつアメリカ人法」(ADA法)などで示された用語・概念であったが、2006年12月、国連総会採択の「障害者の権利に関する条約」に採用され、広く世界で用いられるようになった。

 日本では、2016年(平成28)4月に施行された「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(平成25年法律第65号。障害者差別解消法)において、障害者への合理的配慮の提供を行政機関等に対しては義務、民間事業者に対しては努力義務と規定している。日本政府が2015年2月に閣議決定した「障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針」では、合理的配慮の一例として、「車椅子(いす)利用者のために段差に携帯スロープを渡す、高い所に陳列された商品を取って渡すなどの物理的環境への配慮」「筆談、読み上げ、手話などによるコミュニケーション、分かりやすい表現を使って説明をするなどの意思疎通の配慮」「障害の特性に応じた休憩時間の調整などのルール・慣行の柔軟な変更」をあげている。

[野口武悟 2020年8月20日]

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デジタル大辞泉「合理的配慮」の解説

ごうりてき‐はいりょ〔ガフリテキ‐〕【合理的配慮】

障害のある人が日常生活や社会生活を送る上で妨げとなる社会的障壁を取り除くために、状況に応じて行われる配慮。筆談や読み上げによる意志の疎通、車いすでの移動の手助け、学校・公共施設等のバリアフリー化など、過度の負担にならない範囲で提供されるべきものをいう。

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