障害者から生活上の困りごとや障壁を取り除く対応を求められた際、過重な負担にならない範囲で配慮すること。内閣府は車いす利用者の移動をスロープで補助したり、聴覚障害者と筆談や手話でやりとりしたりする対応を例示する。2016年4月施行の障害者差別解消法で国や自治体に義務付けられ、現在は努力義務とされている民間事業者も24年4月に義務化の対象となる。違反に直接的な罰則はないが、国は必要に応じて報告を求め、指導、勧告などもできる。
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出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報
障害者からの意思の表明に基づき、負担が過重でない範囲において、生活上の妨げとなる社会的障壁(バリア)を取り除くために状況に応じて行われる変更や調整のこと。reasonable accommodationの和訳。もともとは、アメリカにおいて、「障害をもつアメリカ人法」(ADA法)などで示された用語・概念であったが、2006年12月、国連総会採択の「障害者の権利に関する条約」に採用され、広く世界で用いられるようになった。
日本では、2024年(令和6)4月に改正法が施行された「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(平成25年法律第65号。障害者差別解消法)において、障害者への合理的配慮の提供を行政機関等と民間事業者の双方に対して義務と規定している。日本政府が2023年3月に閣議決定した「障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針」では、合理的配慮の例を示している。すなわち、「車椅子(いす)利用者のために段差に携帯スロープを渡す、高い所に陳列された商品を取って渡すなどの物理的環境に係る対応を行うこと」「筆談、読み上げ、手話、コミュニケーションボードの活用などによるコミュニケーション、振り仮名や写真、イラストなど分かりやすい表現を使って説明をするなどの意思疎通に係る対応を行うこと」「障害の特性に応じた休憩時間の調整や必要なデジタル機器の使用の許可などのルール・慣行の柔軟な変更を行うこと」「店内の単独移動や商品の場所の特定が困難な障害者に対し、店内移動と買物の支援を行うこと」などである。内閣府では、合理的配慮の具体的な事例が検索できる「合理的配慮等具体例データ集 合理的配慮サーチ」を公開しており、参考になる。
[野口武悟 2024年6月18日]
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