吏党(読み)リトウ

デジタル大辞泉 「吏党」の意味・読み・例文・類語

り‐とう〔‐タウ〕【吏党】

帝国議会開設時、藩閥政府を支持した大成会国民協会などの党派の称。⇔民党

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精選版 日本国語大辞典 「吏党」の意味・読み・例文・類語

り‐とう‥タウ【吏党】

  1. 〘 名詞 〙 官僚味方の党。官僚側につく党派。
    1. [初出の実例]「官吏の御味方をなし民福を度外視するを吏党といふなるべし」(出典:東京日日新聞‐明治二五年(1892)一月一六日)

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「吏党」の解説

吏党
りとう

初期議会期における親政府派の呼称。「民党」とともに中江兆民命名によるという。具体的には大成会から中央交渉部・国民協会の流れをさす。民党に対抗する一方,超然主義建前から藩閥政府とも距離を保たざるを得ない立場にあった。自由党が第2次伊藤内閣に接近するとともに,吏党という名称も用いられなくなった。

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旺文社日本史事典 三訂版 「吏党」の解説

吏党
りとう

明治時代,初期議会における藩閥政府支持派の通称
民党に対する語。日清戦争開戦(1894)のころまでの帝国議会で,自由党・立憲改進党などの民党が,大成会などの政府支持の立場をとった議会勢力を軽蔑して名づけた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「吏党」の意味・わかりやすい解説

吏党
りとう

民党・吏党

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世界大百科事典(旧版)内の吏党の言及

【民党】より

…90年7月の第1回衆議院総選挙のさい,大同俱楽部などの旧自由党系3派,九州同志会(以上の4派は選挙後立憲自由党を結成),立憲改進党などを民権党と呼んで政府党と区別したのが端緒。やがて,議会で連携して藩閥政府に対抗する立憲自由党(1891年3月自由党と改称),立憲改進党は民党と,政府を支持する大成会,国民協会などは侮蔑的に吏党と呼ばれるようになった。民党は民力休養(地租軽減,政費節約)を唱えて政府予算案の大幅削減を決議,あわせて言論・集会の自由を要求し,超然主義に立つ政府と激しい対立をくりかえした。…

※「吏党」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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