向日神社(読み)むこうじんじゃ

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

向日神社
むこうじんじゃ

京都府向日(むこう)市向日町北山に鎮座。祭神は向神(むかいのかみ)、乙訓坐火雷神(おとくににますほのいかずちのかみ)、神武(じんむ)天皇、玉依姫命(たまよりひめのみこと)を祀(まつ)る。向神は大歳神(おおとしのかみ)(素戔嗚尊(すさのおのみこと)の子)の子で、向日神(むかいのかみ)といわれる。養老(ようろう)年間(717~724)の創建といい、古くは向神社を上(かみ)社、乙訓坐火雷神社を下(しも)社と称したが、後宇多(ごうだ)天皇の1275年(建治1)下社が退廃したので、上社に合祀(ごうし)された。859年(貞観1)従(じゅ)五位下の神階を授けられ、『延喜式(えんぎしき)』では小社に列して祈年の官幣にあずかった。旧府社。三間社流造(ながれづくり)、檜皮葺(ひわだぶ)きの本殿は1422年(応永29)の造営で、蟇股(かえるまた)、木割(きわり)の手法に室町時代初期の遺構を残し、国の重要文化財に指定。社宝の『日本書紀』神代巻下(紙本墨書、国の重要文化財)1冊は、もとは醍醐(だいご)寺理性院の所蔵本で、南北朝時代の写本として有名。例祭5月1日。[加藤隆久]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の向日神社の言及

【向日[市]】より

…中世には物集女(もずめ)荘,寺戸荘,鶏冠井(かいで)荘などの荘園が設置され,室町期には物集女氏,鶏冠井氏などが城を構えている。向日神社の社前,西国街道に面する向日町は,江戸時代には商人や手工業者の集住した在郷町であった。鶏冠井町には,鎌倉末期に日像によって関西初の日蓮宗寺院として開かれたという真経寺(南北2寺がある),本化日蓮宗本山石塔寺がある。…

※「向日神社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

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