含み資産(読み)フクミシサン(その他表記)latent property

デジタル大辞泉 「含み資産」の意味・読み・例文・類語

ふくみ‐しさん【含み資産】

企業などが保有する資産時価が帳簿価格を上回っている場合、その差額

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「含み資産」の意味・わかりやすい解説

含み資産
ふくみしさん
latent property

企業が保有する資産の帳簿価額より時価などの評価額が高い場合の、その超価額をいう。一般には、時価評価が可能な有価証券土地などの不動産について、含み資産が生じる。これは、資産の評価が取得価額で行われるために時価との乖離(かいり)によって発生するものである。しかし、2000年(平成12)4月から採用された金融商品会計基準により、有価証券は原則時価評価されることとなったため、含み資産となることはなくなった。土地などの固定資産については、2005年4月から資産価値減少減損会計によって評価減されることになったが、含み益については評価益を計上しないので、古くに取得した土地については、含み資産となっている場合が多い。

 なお、企業の資産状況を適切に表し、融資を円滑にするため、3年間(のちに1年延長)の時限立法措置として土地再評価法(正式名称は「土地の再評価に関する法律」)が制定され、1998年(平成10)3月から実施された。商法上の大会社などを対象として、簿価との差額は、土地再評価差額金として純資産の部に計上することとし、土地を売却等したときは、取り崩さなければならないとされた。

[中村義人 2022年11月17日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「含み資産」の意味・わかりやすい解説

含み資産
ふくみしさん
assets with holding gain

保有中の資産にかかわる時価の上昇分を含み益というが,この含み益のある資産を含み資産という。日本では土地と有価証券が時価の上昇によって含み資産になっている場合が多い。現行の会計では,企業が保有する資産は取得時の支出額である取得原価で評価されているため,保有中に資産の時価が上昇した場合でも,その上昇分は貸借対照表での資産の評価額には反映されていない。したがって,その帳簿価額は市場価格とは異なる。そのため大蔵省企業会計審議会は有価証券の含み益や含み損の金額を注記するよう企業に要求,1991年3月期決算からその額が開示されるようになった。

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株式公開用語辞典 「含み資産」の解説

含み資産

会計上、資産の評価として購入時の価格を基準とする「取得原価主義」を基ににすると、時価をもとに算出した資産価値が簿価上の資産価値を上回っている場合、その差額分を含み資産という。この資産の値上がり益を含み益という。

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「含み資産」の解説

含み資産

会社の資産価値が帳簿上に記載された資産価値を上回っている場合の差額。不動産の評価額が上昇した場合、株式や有価証券の時価が簿価を上回っている場合などに含み資産が発生する。

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