( 1 )手鞠、輪鼓(りゅうご)などと共に、散楽(さんがく)の雑芸の一つとして大陸から渡来した曲技。
( 2 )近世前期には、道頓堀などの常設の小屋で、品玉の名人が興行して評判を得るといった状況が見られた〔随・一時随筆‐玉の丞がしなたまの事〕。また、その奇術的側面が強調され、「品玉を取る」で、「手品をする」の意になった。
手玉や短刀などを空中に投げ上げて,これを巧みに受け止める曲芸の一種。中国古代の雑戯または百戯の一種で,〈弄玉〉〈飛丸〉〈跳剣〉などともいわれた。日本には散楽のなかの一曲として伝えられ,その姿は正倉院の弾弓の漆絵や《信西古楽図》などにみられる。837年(承和4),天皇がこれをみた記録があり(《続日本後紀》),861年(貞観3)には相撲節会の散楽にこれを演じた記録がある(《三代実録》)。平安末期から民間でも田楽の芸として演じられ,《梁塵秘抄》の〈かたなとり〉というのもこの芸と考えられる。室町時代ごろになると放下(ほうか)師の芸の一つになり,江戸時代になると曲芸の見世物や太神楽(だいかぐら)で行われ,今日でも寄席で見ることができる。
執筆者:山本 吉左右
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
曲芸の一種で、いろいろの品物をいくつも投げ上げては受け取るもの。弄玉(ろうぎょく)ともいう。『信西古楽図(しんぜいこがくず)』にもみえる散楽雑伎(さんがくざつぎ)の一種。石や茶碗(ちゃわん)、小さいものでは豆の類まで、多くの品物を投げ上げて手玉にとるもの。本来は1人で行うものであったが、のちには2人あるいはそれ以上でも演ずるようになり、刀をやりとりするのは「刀玉(かたなだま)」とも称された。猿楽(さるがく)、田楽(でんがく)を経て江戸期には大道芸から見せ物に入り、太神楽(だいかぐら)の演芸に含まれて今日寄席(よせ)芸としてみることができる。子供のお手玉遊びもここから発している。
[織田紘二]
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