(読み)テツ

デジタル大辞泉 「哲」の意味・読み・例文・類語

てつ【哲】[漢字項目]

常用漢字] [音]テツ(漢)
道理に明るく、知恵がある。「哲人哲婦哲理英哲明哲
徳や知恵のある人。才能識見のすぐれた人。哲人。「賢哲十哲西哲聖哲先哲
哲学」の略。「印哲中哲
[名のり]あき・あきら・さと・さとし・さとる・のり・よし

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精選版 日本国語大辞典 「哲」の意味・読み・例文・類語

てつ【哲】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) 才知がすぐれていること。さとくかしこいこと。また、そのようなさまやその人。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
    1. [初出の実例]「傾盖程孔。知識管鮑。哲乎久矣」(出典:随筆・独寝(1724頃)上)
    2. [その他の文献]〔書経‐皐陶謨〕

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普及版 字通 「哲」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 10画

[字音] テツ
[字訓] さとる・さとい

[説文解字]

[字形] 形声
声符は折(せつ)。〔説文〕二上に「知るなり」とし、折声とするが、金文字形は、神梯の象である(ふ)と斤とに従う。その下に心を加えている形で、その字形は〔説文〕に重文として録するものにもみえる。また金文には(てつ)を用いることが多く「厥(そ)の(あき)らかにす」「厥の心を淑にす」「天子」のようにいう。を〔説文〕十下に「ふなり」と訓し、哲と別の字として扱うが、おそらくもと一字であろう。〔書、酒誥〕に「殷の先哲王」の語があり、よく神明につかえ、神明に通ずるものをいう語であった。

[訓義]
1. さとる、さとい、明らか。
2. 知る、神明のことを知る。
3. さとく賢い、賢哲。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕哲 サカシ・カシコシ・サトル・アキラカナリ・モノガタリ/ サトル・アキラカナリ・スミヤカニ 〔字鏡集〕哲 サトシ・トシ・サトル・タカシ・シル・アキラカナリ・シム・モノガタリ・カシコシ・スグルル・ヒカリ

[語系]
哲・tiat、晢tjiatは声近く、晢(せき)は晢明、昧爽(まいそう)(よあけ)をいう。知・智tieも同系の語であるらしく、知・智はともに矢に従い、神との誓約を意味する語である。

[熟語]
哲王・哲哲兄哲彦哲后哲獄・哲士哲思哲嗣・哲相・哲人哲聖哲夫・哲婦哲茂・哲命・哲理
[下接語]
英哲・睿哲・叡哲・穎哲・往哲・耆哲・賢哲・才哲・十哲・宿哲・淑哲・俊哲・雋哲・濬哲・聖哲・先哲・前哲・聡哲・邦哲・明哲

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