喜茂別(読み)きもべつ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「喜茂別」の意味・わかりやすい解説

喜茂別(町)
きもべつ

北海道南西部、後志(しりべし)総合振興局管内の町。1917年(大正6)真狩(まっかり)村(現、留寿都(るすつ)村)から分離して喜茂別村をつくり、1952年(昭和27)町制施行。町名アイヌ語の「キモーペツ」(奥の川、山間の川)に由来する。国道230号、276号が交差し、国道230号は中山峠を越えて札幌市へ通じる。国鉄胆振(いぶり)線が通っていたが1986年廃止。羊蹄(ようてい)山の南東麓(ろく)に位置し、また喜茂別岳、尻別(しりべつ)岳が連なり、農地は高原上に広がる。アスパラガスサトウダイコンスイートコーンジャガイモなどを産し、養豚も多い。とくにアスパラガスは品質のよいことで知られる。缶詰工場もある。面積189.41平方キロメートル(一部境界未定)、人口2156(2020)。

[瀬川秀良]


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改訂新版 世界大百科事典 「喜茂別」の意味・わかりやすい解説

喜茂別[町] (きもべつ)

北海道南西部,後志(しりべし)支庁虻田郡の町。人口2490(2010)。尻別川上流に位置し,地名はアイヌ語の〈キ・オ・ペッ(山奥・にある・川)〉に由来する。1871年(明治4)駅逓所が開設されてから集落ができたが,本格的な開拓は1902年の南部地方岩手・青森両県)からの団体移民によって始められた。羊蹄山の南東斜面にあたるため,融雪後の地温上昇が早く,土壌もあらくて透水性に富むことから,29年にアスパラガスの栽培が始められ,まもなく缶詰工場もつくられて飛躍的な発展を遂げた。このほかジャガイモ,アズキなどの畑作物も生産されている。札幌,洞爺と国道230号線で結ばれる。
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百科事典マイペディア 「喜茂別」の意味・わかりやすい解説

喜茂別[町]【きもべつ】

北海道虻田(あぶた)郡の町。羊蹄(ようてい)山南麓,尻別川上流域を占め,1902年から本格的に開拓。畑作を中心とした農業を行い,特産のアスパラガスの缶詰加工も盛ん。東境中山峠があり,札幌〜定山渓(じょうざんけい)〜洞爺(とうや)湖の観光ルートに当たる。189.41km2。2490人(2010)。

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