ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「四日市公害訴訟」の意味・わかりやすい解説
四日市公害訴訟
よっかいちこうがいそしょう
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…なおその後,実験室的にもSO2などの大気汚染物質がモルモットの気道での吸入感作(実験喘息)の成立を強く促進することが認められるようになり,また,後述するように大気汚染の改善によって患者の発生率は急速に低下することが見られた。
[四日市公害訴訟]
この問題の対策の進展をうながすため,その原因と賠償責任をめぐって,磯津町在住の患者を原告とし,石油コンビナート6社を相手どって1967年に提訴して争われたのが四日市公害訴訟であって,当時の熊本水俣病,新潟水俣病,イタイイタイ病の各訴訟と並んで四大公害訴訟と呼ばれた。しかし,医学的見地から考えると,本疾患の場合には,喘息性疾患は従来からも広く存在し,大気汚染以外の他原因でも起こるいわゆる非特異性疾患であること,大気汚染の発生責任の点でもその発生が複数の排出者による複合したものであることなど,他の公害訴訟とはまったく異なった問題点のあることが強く注目され,この原因論(因果関係)と複数排出者による共同不法行為の成否が大きな争点となった。…
※「四日市公害訴訟」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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