回帰線(読み)かいきせん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

回帰線
かいきせん

2個の変量 xyn 組の観測データ ( x1y1 ) ,…,( xnyn ) を基にして,xy の連関を分析するために,それらに対してあてはめる直線 ( y=βx+α などの 1 次式) ,あるいは曲線 (多項式,指数関数など) 。これらの直線あるいは曲線の方程式は回帰式といわれ,yf(x) の形のときは,x から y を予測する予測式とも考えられる。回帰式 f の求め方は,通常 xi から f によって得られる予測値 (回帰値) f(xi) と実際のデータ yi の偏差の2乗和 を最小化する考え方 (最小二乗法の原理) による。曲線回帰は現象の性質に応じて,関数形をまず指定し,そのなかから最小二乗法によって選ぶ。多項式回帰,三角関数回帰,指数回帰などが多い。「回帰」という語は,子の身長 y が遺伝の結果として親の身長 x回帰 regressしていく傾向があることを指摘した,F.ゴルトンによるが,2変数あるいはそれ以上の変数の関係を分析する統計的手法として,現在では広く用いられている。

回帰線
かいきせん
tropic

地球上の,北緯 23°27′の緯線北回帰線南緯 23°27′の緯線を南回帰線といい,これが地理学上の熱帯の両縁にあたる。これは,黄道赤道との傾きに等しく,太陽の天球上の運動は,夏至で北,冬至で南の回帰線に触れる大円を描いている。

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デジタル大辞泉の解説

かいき‐せん〔クワイキ‐〕【回帰線】

地球上の北緯23度26分と南緯23度26分の緯線。それぞれ北回帰線・南回帰線という。太陽は、夏至のときに北回帰線の真上に、冬至のときに南回帰線の真上にくる。両回帰線の間の地域が熱帯にあたる。

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百科事典マイペディアの解説

回帰線【かいきせん】

地球表面上で南緯23°27′あるいは北緯23°27′の各地点を連ねる線。それぞれ南回帰線(冬至(とうじ)に太陽を天頂に見る),北回帰線(夏至(げし)に太陽を天頂に見る)という。両者の間の区域が熱帯。→季節

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栄養・生化学辞典の解説

回帰線

 回帰方程式ともいう.二つの因子に相関関係がある場合,それぞれの因子をx軸,y軸にして相関図を作り,xyの間の関係を示す式(回帰方程式)とデータの値の差の二乗総和が最小になるような関数を図中に示したもの.

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世界大百科事典 第2版の解説

かいきせん【回帰線 tropic】

地球の北緯および南緯23゜27′に設けられた線。地球の自転軸は,公転面に立てた垂線に対して23度27分傾いているので,太陽光線が地表に対して垂直に当たる部分は,地球の公転とともに1年の周期で変化する。春分のときは赤道部分であり,時間の経過とともに北側に移動し夏至のとき北の回帰線(北回帰線)上にくる。夏至を過ぎると南に戻り,秋分で赤道上に,さらに冬至には南の回帰線(南回帰線)上に至る。そして次の春分には再び赤道上に戻る。

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大辞林 第三版の解説

かいきせん【回帰線】

地球上で、夏至または冬至に太陽の真下となる地点を連ねた線。すなわち、南北の23度27分の緯線。北半球のものを北回帰線、南半球のものを南回帰線という。 〔ラテン語 Tropici の訳語。「二儀略説」(一七世紀後半)にある〕

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

回帰線
かいきせん

地球の北緯および南緯約23度26分の等緯度線のこと。それぞれ北回帰線、南回帰線という。また地球から見て太陽が夏至のころにかに座に入り、冬至のころにやぎ座に入るので、それぞれ夏至線冬至線、あるいは、かに座の回帰線、やぎ座の回帰線ともいう。
 地球の赤道面は地球の公転軌道面に対して約23度半傾いている(この角度=赤道傾斜角は毎年すこしずつ変わるが、回帰線を考える場合は概数を用いても誤りはない)。太陽は、春分・秋分のとき、地球の赤道上の地点の正午には、その地点の真上にくるが、夏至および冬至の正午には南北回帰線上の地点の真上にくる。このように太陽が正午に真上にくる地点は南北回帰線に挟まれた地域だけであり、これはほぼ熱帯地方にあたる。太陽が春分点から次の春分点まで戻る時間を1回帰年(または太陽年)とよぶが、この1年間に太陽は赤道―北回帰線―赤道―南回帰線―赤道の順に動き、このことから回帰線の名が生まれた。[若生康二郎]

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精選版 日本国語大辞典の解説

かいき‐せん クヮイキ‥【回帰線】

〘名〙
① 地球上で北緯または南緯二三度二七分の等緯度線をいう。夏至および冬至のとき、太陽はこの真上から地球を照らす。太陽がこれよりも北または南にいかず、この上に達したのち、再び赤道の方にもどるところからいう。回帰圏
※二儀略説(17C後)上「四の小輪線の一と二を回帰線と号す。此二つの回帰線は、赤道の両方にあり」
② 二種の量の間の相関関係を折れ線で表わしたグラフ。たとえば、身長が同じである人の体重の平均を求め、x座標に身長、y座標に体重の平均をとって順に結んで得られる折れ線を、身長の体重に対する回帰線という。
[語誌]江戸時代、「回帰線」の語は長崎から林子平によって江戸にもたらされ、桂川甫周、大槻玄沢を経、また「厚生新編」に代表される幕府天文方に集まる人々の間で継承されていったが、一般にはマテオ‐リッチによる「昼長線」「昼短線」、アレニの「職方外紀」による「夏至規」「冬至規」などとするのが主流であり、「回帰線」が主流となったのは明治も一〇年代になってからである。

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