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因州紙 いんしゅうがみ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

因州紙
いんしゅうがみ

和紙の一種。半切紙で,純ミツマタ皮を原料とし,鳥取県 (因幡国) 鳥取市佐治青谷で産する。用途は巻紙,書簡用である。

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世界大百科事典 第2版の解説

いんしゅうがみ【因州紙】

因幡国(現,鳥取県東部)産の手すき和紙の総称。古代において鳥取県は伯耆と因幡の二つの国に分かれていたが,奈良時代正倉院文書や平安時代の延喜式によると,ともに有力な産紙国であった。しかし,しだいに伯耆は鉄,因幡は紙と代表的な産物が分かれていった。中世の中央の文献に因幡紙の名は出てこないが,中世末期の事情を反映している江戸初期の《毛吹草》には,用瀬(もちがせ)町家奥の椙原(すぎはら)(杉原紙)と河原町曳田(ひけた)の鼻紙が因幡の名産とされている。

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大辞林 第三版の解説

いんしゅうがみ【因州紙】

因州(鳥取県)で産する和紙。延喜式にすでにみえる。現在も書道用紙を生産。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

因州紙
いんしゅうがみ

因幡(いなば)国(鳥取県)で産出される和紙。その源流は古く『延喜式(えんぎしき)』にもみられるが、近世に入って各地で製紙が盛んになると、因州紙も奉書、杉原(すぎはら)、皆田(かいだ)などの種類が藩の保護のもとに置かれ育成された。また巻紙用の半切(はんきれ)紙は、墨書に適した紙質ゆえに「筆切れず」とよばれて近年まで愛用された。明治以後も和紙製造の伝統は守られ、原料もコウゾ(楮)やミツマタ(三椏)のほか、各種の植物繊維や木材パルプも配合し、一部に機械漉(ず)きも取り入れて、現在でも日本有数の書道用紙を生産している。工場は鳥取市佐治(さじ)町と同市青谷(あおや)町とに集中している。[町田誠之]

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世界大百科事典内の因州紙の言及

【鳥取[県]】より

…その後,電気機械企業の進出などによって軽工業対重化学工業の比率は逆転し,現在は電気機械が首位で約4割を占め,食品,繊維・衣服,紙・パルプ,木材・家具がこれにつづく。伝統産業としては因州紙で知られる和紙製造,因久山(いんきゆうざん)焼,牛戸(うしのと)焼,上神(かずわ)焼などの窯業,弓ヶ浜絣などがあるが,いずれも規模が小さい。
[山陰東部の交通と観光]
 東,西,南を山に閉ざされ,北は日本海に面し,しかも境港以外は良港に恵まれなかったため,明治期に鉄道が開通するまでの県外との交通は海陸両路ともきわめて不便であった。…

※「因州紙」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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