図帳(読み)ズチョウ

デジタル大辞泉 「図帳」の意味・読み・例文・類語

ず‐ちょう〔ヅチヤウ〕【図帳】

律令制で、国郡田地耕作者などを記入した土地台帳田図田籍からなる。国衙こくがにも備えられたが、特に民部省に保管されたものをいう。

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精選版 日本国語大辞典 「図帳」の意味・読み・例文・類語

ず‐ちょうヅチャウ【図帳】

  1. 〘 名詞 〙 奈良平安時代諸国で作製し、中央の民部省に進納した田図と帳簿。田地、耕作状況、所有者等が記入されている。諸国衙にも備えられ、相論のとき、基本台帳として参照された。図籍
    1. [初出の実例]「班田使、図帳不神田、収公班給百姓口分」(出典日本三代実録‐元慶九年(885)二月八日)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「図帳」の意味・わかりやすい解説

図帳
ずちょう

古代,班田収授施行などのため,民部省に備付けられた全国の田籍と田図。『民部省図帳』ともいう。天平 14 (742) 年,天平勝宝7 (755) 年,宝亀4 (773) 年,延暦5 (786) 年,弘仁 11 (820) 年の田籍は永久保存とし,他は班田のたびに破棄された。荘園国衙争論にはこの図帳が参照され,鎌倉時代頃まで保存された。 (→班田収授法 )

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