土木学会(読み)どぼくがっかい

共同通信ニュース用語解説 「土木学会」の解説

土木学会

1914年設立、約3万9千の個人・法人が参加する工学系団体。大学研究者だけでなく、建設会社や電力会社に所属する会員も多い。幅広い分野の委員会があり、このうち原子力土木委員会の津波評価部会が2002年にまとめた評価手法は、全国の原発で津波対策の基準とされた。評価手法策定に要した研究費約1億8千万円の全額を電力会社が負担していたほか、策定当時の部会メンバー30人のうち13人が電力会社の所属だったため、福島第1原発事故の国会事故調査委員会は、公正さに疑いがあると指摘した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「土木学会」の意味・わかりやすい解説

土木学会
どぼくがっかい

土木工学に関する日本の学術団体。英語名称はJapan Society of Civil Engineersで、略称JSCE。「土木工学の進歩および土木事業の発達ならびに土木技術者の資質向上を図り、もって学術文化の進展と社会の発展に寄与する」ことを目標としている。大学や研究機関の学者、研究者、学生のほか、建設、エネルギー、鉄道、道路など土木関連業界や行政機関の技術者、建設コンサルタントらが会員となっている。会員数(2014年10月末時点)は約3万9000人で、日本最大級の学会である。1914年(大正3)に社団法人として発足し、2011年(平成23)に公益社団法人へ移行した。本部を東京都新宿区四谷(よつや)に置くほか、全国に八つの地域支部(北海道、東北、関東、中部、関西、中国、四国西部)と海外支部をもつ。初代会長は東京帝国大学教授の古市公威(ふるいちきみたけ)で、これまでに「港湾工学の父」といわれた広井勇(ひろいいさみ)や、鹿島(かじま)建設の社長・会長を歴任した石川六郎(ろくろう)(1925―2005)らが会長を務めている。

 土木学会は災害現場などの調査報告にも取り組んでおり、2014年に起きた広島市の大規模土砂災害では、学会で調査報告を実施した。1915年以来、機関誌「土木学会誌」を刊行しており、1999年(平成11)に設けた土木学会技術推進機構では、土木技術者資格制度、継続教育制度、技術評価制度などに取り組んでいる。また2000年から、「選奨土木遺産」の名で歴史に残る土木構造物や機械製品を毎年20件前後指定。これまでに稚内(わっかない)港北防波堤ドーム(北海道)、琵琶湖疏水(びわこそすい)の発電施設群(京都府)、万代橋(ばんだいばし)(新潟県)、関門(かんもん)トンネル(在来線用)(山口県・福岡県)などが指定されている。

[編集部 2015年3月19日]

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デジタル大辞泉プラス 「土木学会」の解説

土木学会

日本の学術研究団体のひとつ。欧文名は「Japan Society of Civil Engineers」、略称は「JSCE」。土木工学の進歩、土木事業の発達、土木技術者の資質の向上を図る。1914年発足。2011年より公益社団法人。事務局所在地は東京都新宿区。

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