土鈴(読み)どれい

日本大百科全書(ニッポニカ)「土鈴」の解説

土鈴
どれい

土製の。どすず、つちのすずともいう。江戸時代の国語辞書『和訓栞(わくんのしおり)』(谷川士清(ことすが)著)によれば、鈴はその音が涼しいのでこの名が生じたとある。それを打ち鳴らせば、除魔の呪力(じゅりょく)があると古くから信じられて祭典に用いられ、また魔除(まよ)けの御守りともなった。古墳文化時代の副葬品、あるいは打ち鳴らして急を知らせる道具にも使用され、原始楽器の一つでもあった。

 玩具(がんぐ)としての土鈴が登場するのは、江戸時代初期に京都の伏見(ふしみ)の土焼きの一つとしてつくられたのが最初とされる。伏見焼の土鈴は、伏見稲荷(いなり)の土産(みやげ)物として売られてきた。土鈴を10個ずつ藁(わら)でくくって鈴成りに見立て、果樹の枝につるして豊穣(ほうじょう)を祈ったり、または井戸につるして虫除けのまじないとした。そのほか、美江寺観音(みえじかんのん)(岐阜県)の養蚕の良好を祈る蚕(かいこ)鈴、福島羽黒山神社(福島県)の開運縁起の土鈴猿に仕立てた「まさる」、英彦山(ひこさん)(福岡県)の害虫除けのガラガラ鈴、御岳金桜(みたけかなざくら)神社(山梨県)の虫切りのまじないとされる虫切り鈴などがあげられる。

[斎藤良輔]


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精選版 日本国語大辞典「土鈴」の解説

ど‐れい【土鈴】

〘名〙 土を焼いてつくった鈴。古くは魔よけや通報などに用いられたが、今は郷土玩具として各地に残る。つちすず。
※俳諧・文化六年句日記(1809)二月一〇日「家陰や雀子が鳴土鈴鳴」

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デジタル大辞泉「土鈴」の解説

ど‐れい【土鈴】

土を焼いて作った鈴。古くから魔よけとされ、今も郷土玩具として各地にみられる。

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世界大百科事典内の土鈴の言及

【鈴】より

…しかもこれに対しては,日本では密教法具の金剛鈴(こんごうれい)のように〈レイ〉と呼び,鐸と鈴(れい)の関係が逆転しているので注意を要する(図)。 先史時代以来,粘土をこね焼成してつくった土鈴(どれい)は,世界各地で知られている。青銅のスズは,他の器物と一体につくられた付属のスズが中国では殷代に始まり,単体の独立したスズは,それより遅れるらしい。…

※「土鈴」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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