坂本嘉治馬(読み)サカモトカジマ

精選版 日本国語大辞典 「坂本嘉治馬」の意味・読み・例文・類語

さかもと‐かじま【坂本嘉治馬】

  1. 出版人。土佐高知県出身小野梓に師事し、明治一九年(一八八六)冨山房を創業。学術書、教科書、辞典などを刊行した。慶応二~昭和一三年(一八六六‐一九三八

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20世紀日本人名事典 「坂本嘉治馬」の解説

坂本 嘉治馬
サカモト カジマ

明治〜昭和期の出版人 冨山房創業者。



生年
慶応2年3月11日(1866年)

没年
昭和13(1938)年8月23日

出生地
土佐国幡多郡宿毛(高知県)

経歴
明治16年上京し、同郷の政治家・法学者小野梓に師事、また小野の経営する書肆東洋館に支配人格として勤務。19年小野の死去のため事業が途絶すると、神田神保町に冨山房を創業し、出版事業を始める。天野為之の「経済原論」を出版して以来、学術書、教科書などを刊行したが、なかでも辞典類の出版で冨山房の名を高めた。主な刊行物に吉田東伍大日本地名辞書」、上田万年・松井簡治大日本国語辞典」、大槻文彦大言海」、「国民百科大辞典」などがある。

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改訂新版 世界大百科事典 「坂本嘉治馬」の意味・わかりやすい解説

坂本嘉治馬 (さかもとかじま)
生没年:1866-1938(慶応2-昭和13)

冨山房の創業者。土佐宿毛町に生まれ,1883年に上京,小野梓(あずさ)が創業した東洋館に入店し,書籍販売と出版について修業した。小野の病死により,東洋館が閉店した後,小野の遺志を受け継ぎ,86年,20歳のときに冨山房を創業した。小野梓の遺訓〈益世報効〉を忘れず,一人一業に徹した。1936年の創業50周年までに4000点近くの新刊書を出版した。
執筆者:

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「坂本嘉治馬」の解説

坂本嘉治馬 さかもと-かじま

1866-1938 明治-昭和時代前期の出版人。
慶応2年3月11日生まれ。明治16年上京,小野梓(あずさ)の東洋館書店につとめる。19年冨山房を創業。吉田東伍(とうご)「大日本地名辞書」,大槻(おおつき)文彦「大言海」,「国民百科大辞典」などを刊行。昭和13年8月23日死去。73歳。土佐(高知県)出身。

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367日誕生日大事典 「坂本嘉治馬」の解説

坂本 嘉治馬 (さかもと かじま)

生年月日:1866年3月11日
明治時代-昭和時代の出版人
1938年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の坂本嘉治馬の言及

【冨山房[株]】より

…1886年坂本嘉治馬によって東京神田神保町に創業された出版社。当初から質の高い大出版で知られ,大型の辞典で一時代を画した。…

※「坂本嘉治馬」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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