塩沢紬(読み)しおざわつむぎ

改訂新版 世界大百科事典 「塩沢紬」の意味・わかりやすい解説

塩沢紬 (しおざわつむぎ)

絹織物一種。伝統的工芸品指定品。新潟県塩沢地方で18世紀後半からある越後上布の絣や縞の技法を,麻から絹へ原料を替えて織りついだ紬織物。経糸に小節こぶし)のある光沢の少ない玉糸を選び,緯(ぬき)糸に真綿手紡糸を使った精巧な十字絣蚊絣)が特徴絣糸と地糸を混ぜて柄をおさえた表現が,紬地と合って上品な渋さを持つ。地緯御召(おめし)緯を入れた塩沢御召もある。1万5000反織り出され(1975),安定した生産が続いている。
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事典 日本の地域ブランド・名産品 「塩沢紬」の解説

塩沢紬[染織]
しおざわつむぎ

北陸甲信越地方、新潟県の地域ブランド。
南魚沼市で製作されている。塩沢の織物の歴史は古く、奈良時代に織られた麻布奈良正倉院に保存されている。塩沢紬は麻織物技術技法を絹織物にとり入れ、江戸時代に織り始められた。原料に生糸・玉糸・真綿手紡糸を使用。手くくりなどでつくられた絣糸を一本一本手作業で合わせて織りあげられる。1975(昭和50)年2月、通商産業大臣(現・経済産業大臣)によって国の伝統的工芸品に指定。

出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域ブランド・名産品」事典 日本の地域ブランド・名産品について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「塩沢紬」の意味・わかりやすい解説

塩沢紬
しおざわつむぎ

新潟県南魚沼(みなみうおぬま)市の塩沢地区でつくられる紬。この地方は越後縮(えちごちぢみ)の伝統的生産地で、その製織技術を生かして座繰(ざぐり)糸を使い、結城(ゆうき)紬と同様、渋さのあるざっくりとした味に仕上げた織物。一部に紬糸を使ったものもあるが、一般には玉糸のものが多い。柄は絣(かすり)が多く、摺(す)り込みによって絣糸をつくり、地を薄色にして新柄を出している。

[角山幸洋]

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デジタル大辞泉プラス 「塩沢紬」の解説

塩沢紬

新潟県南魚沼市を中心に生産される絹織物。越後上布や小千谷縮の技術を活かして明和年間に製造が始まったとされる。繊細な絣模様が特徴。国指定伝統的工芸品。

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