仮名の字体はさまざまなものが用いられてきたが,1900年小学校令施行規則の第1号表によって平仮名,片仮名それぞれが現行の字体に定められた。変体仮名とは,主として平仮名の〈いろは〉47種と〈ん〉について,この表で示された通用の字体とは異なった形のものをいう。変体仮名には,(1)平仮名と同一字源でそれほど草略化が徹底していないもの--(い),
(か),
(の)など,(2)草略化の方法のちがうもの--
(お),
(な),
(も)など,(3)字源のちがうもの--
(か),
(こ),
(た),
(は)などがある。こんにち印刷物の上ではこれらはほとんど用いられなくなった。なお,古文献上に見える片仮名,平仮名にあたる字体の変種について,異体仮名ということがある。
→仮名
執筆者:林 大
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