変額保険（読み）ヘンガクホケン

デジタル大辞泉

へんがく‐ほけん【変額保険】

生命保険の一種。払い込まれた保険料の運用実績に応じて満期保険金や解約返戻金の額が変動するもの。死亡保険金について最低保証がある。→定額保険

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

へんがく‐ほけん【変額保険】

1. 〘 名詞 〙 生命保険の一つ。集めた保険料を保険会社が株式・債券などで運用し、その実績に応じて支払われる保険金が増減する。有期型と終身型とあり、終身型は基本保険金が定められている。昭和六一年（一九八六）一〇月から発売。

出典　精選版 日本国語大辞典

日本大百科全書(ニッポニカ)

変額保険
へんがくほけん

保険会社が保険料積立金（保険会社が保険契約に基づいて約束した支払いを果たすために、保険料のなかから積み立てる金額）を一般勘定から区分された特別勘定のもとで、おもに株式や債券などの有価証券によって運用し、その運用実績に応じて満期保険金や解約返戻金が変動する生命保険商品をいう。

　変額保険は、養老保険または終身保険の形を用いてはいるが、保険会社が最低保証するのは一定額の死亡保険金（基本保険金）だけであり、満期保険金や解約返戻金は保険料積立金の運用実績に応じて変動するため、その実質は基本保険金の支払保証がついた株式投資信託と同様である。保険加入者にとっては、株式相場の上昇または下落により有力な財テク商品となったり損失を被ったりする商品となる。バブル経済崩壊以後の株価の下落により損失を被った保険加入者が保険会社を相手として損害賠償を求める訴訟を提起し大きな社会問題となった。

［坂口光男］

[参照項目] | 生命保険 | 保険料

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)

改訂新版　世界大百科事典

変額保険 (へんがくほけん)
variable life insurance

アメリカの保険会社エクイタブル社などで1970年代後半から販売されている投資性の強い生命保険。この保険は基本的には一生涯の死亡保障を目的とする終身保険であるが，契約者は投資先を指定し，その実現利回りに応じて，キャッシュバリュー（解約価額のことで，責任準備金から解約控除を行った残額）や死亡保険金が変動する。ただし最低保障額は設定されている。投資対象としては，かつては株式（普通株）が大宗を占めていたが，近年では債券投資が中心となっている。

　この商品は，一種の〈投資契約〉とみなされているので，証券取引委員会（SEC）に登録しなければならず，この商品を販売する外務員には証券取引ライセンスの取得が義務づけられている。日本では1986年10月から販売された。
執筆者：佐々木 陽一

出典　株式会社平凡社「改訂新版　世界大百科事典」

百科事典マイペディア

変額保険【へんがくほけん】

生命保険会社が満期返戻金や死亡保険金などを，定額保険とは別の特別勘定で株式などに運用し，その成果に応じて保険金を変動させる保険。1976年に米国で登場，日本では1986年10月から発売された。それまでの生命保険は，資産運用利回りが予定利率を上回った場合，その差額分を配当として契約者に還元し，死亡および満期保険金は契約時のままで変化させない定額保険のみであった。変額保険は，運用成果により保険金が直接増減する仕組みのため，ハイリスク・ハイリターン型である。日本ではリスクについての説明が不十分なためにトラブルが起きるケースもあり，バブル経済崩壊後には契約者が損害賠償を求める訴訟が相次いで起きている。

出典　株式会社平凡社

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

変額保険
へんがくほけん

一般には保険金額が変額し，場合によっては保険料も変額する生命保険をさす。長期性を有する生命保険契約においてはしばしばインフレーションによる保険金の実質価値の低下に見舞われるため，所期の経済的保障が達成できない場合が起りうる。そこで集積された保険料が形成する保険資金を有価証券，不動産などの比較的収益性の高い資産に投資し，その投資成果を保険金に反映させて給付することによってインフレーションによる保険金の実質価値の低下を相殺しようとするものである。ただし，保険金額は増額することも，減額することもありうる。

出典　ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

知恵蔵

変額保険

「変額年金保険」のページをご覧ください。

出典　(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

保険基礎用語集

変額保険

保険金額が運用実績に応じて変動する保険を指します。

出典　みんなの生命保険アドバイザー