水郷筑波国定公園(読み)すいごうつくばこくていこうえん

精選版 日本国語大辞典 「水郷筑波国定公園」の意味・読み・例文・類語

すいごうつくば‐こくていこうえん スイガウコクテイコウヱン【水郷筑波国定公園】

茨城・千葉両県にまたがる国定公園霞ケ浦北浦南部の水郷一帯筑波山加波山犬吠埼(いぬぼうざき)屏風ケ浦(びょうぶがうら)から成り、特に潮来(いたこ)を中心とする利根川下流域の水郷の景観で知られる。昭和三四年(一九五九)水郷地区が、同四四年筑波山地区が指定された。

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デジタル大辞泉 「水郷筑波国定公園」の意味・読み・例文・類語

すいごうつくば‐こくていこうえん〔スイガウつくばコクテイコウヱン〕【水郷筑波国定公園】

茨城県から千葉県にかけての水郷地帯、および筑波山を中心とする国定公園霞ヶ浦鹿島神宮犬吠埼いぬぼうさきなどを含む。

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百科事典マイペディア 「水郷筑波国定公園」の意味・わかりやすい解説

水郷筑波国定公園【すいごうつくばこくていこうえん】

茨城・千葉2県にまたがる国定公園。面積343.09km2。1959年水郷国定公園として指定,1969年筑波地区を追加指定,改称利根川下流域の水郷風景と霞ヶ浦北浦湖沼美,犬吠埼と屏風(びょうぶ)ヶ浦の海岸風景,鹿島・香取両神宮と息栖(いきす)神社,関東の名山筑波山などが含まれ,釣,狩猟,海水浴などの好適地も多い。代表的な水郷地帯は佐原市(現・香取市)と潮来(いたこ)市の間の水郷十六島一帯で,水田の中に縦横に通じる水路で舟遊びが楽しめる。観光基地は香取・土浦・鹿嶋・銚子市,潮来・牛堀・麻生など。
→関連項目麻生[町]茨城[県]牛堀[町]佐原[市]千葉[県]銚子[市]つくば[市]

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「水郷筑波国定公園」の意味・わかりやすい解説

水郷筑波国定公園
すいごうつくばこくていこうえん

茨城県の筑波山地から霞ヶ浦(かすみがうら)、北浦、外浪逆浦(そとなさかうら)など茨城県から千葉県にかけた水郷地帯、および犬吠埼(いぬぼうさき)一帯を含む国定公園。面積349.56平方キロメートル。このうち水郷地区は66%。1959年(昭和34)に水郷地区が指定され、1965年神之池(ごうのいけ)地区を解除、1969年筑波山地域が追加された。湖沼と山岳と平原の美をあわせもつ休養観光地域である。霞ヶ浦など水郷地帯は古代には流海(ながれうみ)といわれた海の入り江であった所で塩を産したという。淡・海水魚が豊富で漁業も盛んに行われ、ワカサギ漁の帆引(ほびき)網は夏秋期の風物詩であったが、いまは北浦にすこし残っているのみである。カモなどの水鳥も多い。筑波山は固い斑糲(はんれい)岩が侵食に抵抗して残った男体山(なんたいさん)、女体山(にょたいさん)の双峰が美しく、高度差と植物相の変化もみられる。水郷の入口に相対する鹿島(かしま)・香取(かとり)の両神宮は、古代の関東鎮護の守護神として信仰が厚く、江戸時代の水運交通は沿岸に多くの河岸町(かしまち)を発達させた。筑波山は信仰の名山としても関東平野に広い信仰圏をもっている。水郷は潮来(いたこ)が中心で、釣り、カモ猟のほか、6月のアヤメ(ハナショウブ)に、土浦は霞ヶ浦の観光とヨット、浮島(うきしま)のキャンプ場、筑波山は新緑、紅葉の季節と東側の裏筑波(石岡(いしおか)市八郷(やさと))のミカン、ナシ、クリの果樹園や花卉(かき)栽培が観光の中心である。また、犬吠埼から屏風ヶ浦(びょうぶがうら)にかけては、雄大な海洋景観が展開している。JR常磐(じょうばん)線と同鹿島線によって容易に中心地へ行ける自然公園である。

[櫻井明俊]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「水郷筑波国定公園」の意味・わかりやすい解説

水郷筑波国定公園
すいごうつくばこくていこうえん

茨城県南部から千葉県北部に広がる自然公園。面積 349.56km2。1959年水郷地方が水郷国定公園に指定され,1969年筑波県立自然公園が編入されて現名称となった。利根川霞ヶ浦を中心とした水郷地方と筑波山を中心とした丘陵地(筑波山地)からなる。水郷地方は湖水面が約 80%を占め,エンマ(水路)が縦横に走り,マコモアヤメなどが景観美を添える。筑波山南麓のアカマツ林から,中腹のモミ林,スギ林,アカガシを主とする常緑広葉樹林,さらに山頂のブナ林へと植生が変化する。その他特色のある自然林としては,加波山山頂のブナ,アカガシ,アカマツ,小田山南面のアカマツ,朝望山南面のサクラ類がある。新緑,紅葉時には多くの観光客が訪れる。山の中腹では筑波みかん,温州みかんが栽培されている。

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世界大百科事典(旧版)内の水郷筑波国定公園の言及

【水郷】より

…千葉県北部から茨城県南部にまたがる利根川下流の低湿地帯。利根本流,横利根川,北利根川,霞ヶ浦,外浪逆浦(そとなさかうら),北浦の沿岸に広がり,水郷筑波国定公園に指定されている。古代には香取海といわれた流海で,中世に利根川水系の堆積作用で沖之島などの川中島が形成され,近世初期の利根川の河道付け替え以後急速に陸化が進み,十六島(じゆうろくしま)などの新田開発が進展した。…

【筑波】より

…筑波山の山腹ではミカンが栽培され,八郷町と並んで商業的生産の北限をなす。筑波山一帯は水郷筑波国定公園に指定され,筑波スカイライン,ロープウェー,ケーブルカー,自然研究路などが整備されている。【千葉 立也】。…

※「水郷筑波国定公園」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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