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多重共線性 たじゅうきょうせんせいmulticollinearity

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

多重共線性
たじゅうきょうせんせい
multicollinearity

経済など実験不可能な分野において重線形回帰などによってある変数の変動を2個以上の変数 (独立変数) によって説明しようとすると,独立変数間の相関が高いために個別の独立変数の影響の仕方を分離しえないことがある。この場合に独立変数間に多重共線性が存在するという。独立変数間の関係が厳密な線形関係 (つまり相関係数が±1) にない場合でも,かなり相関が強いときは一応回帰係数推定は可能ではあるが,得られた推定値は信頼性の低いものになる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

多重共線性
たじゅうきょうせんせい
multicollinearity

計量経済学において、モデルの推定手続のうえで発生する問題の一つ。社会的、経済的な現象の因果関係を数量的に説明しようとするとき、その説明対象(被説明変数)の動きを、他のいくつかの変数(説明変数)の一次式(線形関数)として考え、各変数について実際に観測された統計数値を用いて、その一次式の具体的な関係を推定することが行われる。その線形関数として表されたモデルの係数を最小二乗法によって推定(回帰分析)する場合、説明変数のうちのいくつかのものどうしが互いに同じような変動を示すとき、あるいはより厳密にいえば説明変数の間に線形に近い関係が存在するとき、モデル全体の適合度を示す決定係数が高いにもかかわらず、個々の説明変数の係数の推定値の標準誤差が大きくなるために、その有意性が失われるという現象が生ずる。これが計量経済学のうえで、多重共線性の問題とよばれるものである。この問題を解決するためには、いくつかの方法が考えられる。まず、各変数に関する観測値の数を増やしてみることである。そうすることによって、それまでの変数間の類似の変動パターンに変化がもたらされることがある。また、観測値の増加が困難な場合には、類似の動きを示している説明変数のいずれかをモデルから取り除くことが考えられる。しかし、その場合には、あくまでもモデル構成の背景にある理論的な関係を十分に考慮することが必要である。さらに、各変数につき、差分〔たとえばΔX(t)=X(t)-X(t-1)〕をとり、その数値を元のモデルに用いる方法もある。こうすると、各変数からトレンド部分が除去されて、各変数ごとの独自の変動部分が強調されることになり、一般に変数間の相関が低くなる。[高島 忠]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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