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ある観測対象集団について、個々の観測単位のもつある二つの属性に注目し、その値を観測したとき、両者の間に存在する直線的な関連の強弱を示す指標のこと。
いま、ある小学校の1年生の児童の集団を観測対象とし、その1人1人について身長と体重を測定することによって、両者の間の直線的な関連(一方の数値が変化すると他方の数値もある直線に沿う形で変化する関係)の強弱をみることとする。このとき、最初に測定した児童についての身長と体重の測定値の組を(X1,Y1)とし、以下同様にして、第i番目に測定した児童の測定値を(Xi,Yi)とする。そして、測定された児童の総数をnとすると、この1年生児童についての身長と体重との間の直線的な関連の強さの程度、すなわち相関係数Rは、次式によって計算される。
この式のなかで、はX1、X2、……、Xn(身長の測定値)の平均値、
はY1、Y2、……、Yn(体重の測定値)の平均値である。Rは、XとYの共分散をXおよびYのそれぞれの標準偏差の積で割ることによっても計算される。その値はかならずプラス1とマイナス1との範囲にあり、XとYの動きが完全に近い直線的関係になるほど絶対値は1に近い値となる。したがって、Rの値が逆に0に近くなるほどXとYとはその動きに関して無関係の状態に近づくことになり、Rが0ということは、完全な無相関を意味する。また、Rがプラスの値であれば、Xが増大するにつれてYも増大する関係にあること、Rがマイナスの値であれば、Xが増大するときYは逆に減少するという関係にあることを示す。
[高島 忠]
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…そのような考え方は母集団の概念を導入するうえで役だったのである。続いて,優生学の研究の創始者として知られるイギリスの科学者F.ゴールトンが現れ,人体測定研究所で調査した多数のデータを解説するために相関係数の概念を導入して統計学の新しい手法を開発した。これは回帰分析の方法に対して,先駆的な役割を果たすものとなった。…
…相関図でXの値が大きくなるとYの値が大きく(小さく)なる傾向があるとき,XとYは正(負)の相関にあるという。相関の強さを測る尺度として次の式で計算される相関係数が使われる。ただし,
つねに-1≦r≦1である。…
…ある集団の特性が統計的変量としてとらえられるとき,例えば体重と身長の相関とか数学や英語のテスト結果の間の相関というように,相関係数を基本にして多数の変量間の相互依存性を分析する統計手法の総称。因子分析や正準相関分析を含む。…
※「相関係数」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」