装丁法の一つ。用紙を数枚ないし数十枚重ね、紙縒(こより)で中綴じをして留める。ついで前後に表紙を添え、右端の上と下二か所に二つずつ綴じ穴をあけて、装飾的な組紐(くみひも)または平紐、あるいは数本の太白(たいはく)(太い絹糸)で結び綴じしたものである。用紙の折り方、重ね方は綴葉装(てっちょうそう)(列帖(れつじょう)装)、胡蝶(こちょう)装(粘葉(でっちょう)装)、袋綴いずれの方法でもよい。この装丁法はすでに平安末期から行われ、原装を伝えるものに『打聞(うちぎき)集』(山口光円旧蔵)が知られていたが、近年別種の装丁に改装されてしまったという。この綴じ方は今日でも神社仏閣や名所旧跡の写真帳などに多くみられる。綴葉装や胡蝶装を大和綴とする説もある。
[金子和正]
『遠藤諦之輔著『古文書修補六十年』(1987・汲古書院)』
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…中国ではこれを〈綫縫(せんぼう)〉といい,日本では〈袋綴(ふくろとじ)〉といって,普通の和装本に使用されているものである。 以上のように,中国では粘葉装(胡蝶装)から袋綴(綫縫)に移行したが,日本ではその間に,〈大和綴(やまととじ)〉(〈綴葉装(てつちようそう)〉ともいう)という,独特の装丁法を案出した。中国から粘葉装が伝来したとき,白面と文字面の交互になるのをきらい,厚手の紙を用いて,表裏両面に文字を書き,二つ折りにして糊づけし,1枚ずつめくるようにしたが,糊づけする代りに数枚の紙を二つ折りにし,その折り目を2ヵ所糸でとじて1丁とし,このようにしてできた数丁をさらに糸で合綴(ごうてつ)して1冊とし,表紙を加えて仕上げた。…
※「大和綴」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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