本の装丁法の一つ。粘葉装(でっちょうそう)と同じ。筆写あるいは印刷された用紙を1枚ずつ二つ折りして、折り目の外側に1センチメートル程度に糊(のり)をつけて貼(は)り合わせ、それに表紙をつけて冊子としたもの。表紙は、前後を続けて1枚の厚様紙で包んだものもあり、背の部分を裂(きれ)か紙で包み、前と後の別々に表紙をつけたものもある。開いてみると、ちょうど蝶が羽を広げた姿に似ているところからこの称がある。胡蝶装は、中国宋(そう)時代の代表的装丁といわれ、わが国では平安から室町の各時代を通じて広く普及した。空海筆『三十帖冊子(さんじゅうじょうさっし)』(仁和寺(にんなじ)蔵、国宝)はこの装丁によるわが国現存最古のものとして有名である。
[金子和正]
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…これは長い間に折り目が切れやすいので,紙葉を重ねて,折り目に糊入れし,表紙でくるむ方法が案出された。ひろげると蝶のはねのようなかっこうをしたので〈胡蝶(こちよう)装〉と呼ばれ,また糊ではりつけたので〈粘葉(でつちよう)装〉ともいわれた。この方法は唐代にもおこなわれ,宋代にはいり,印刷術が盛んになるにつれてその使用も増大していった。…
…書物装丁の一つ。用紙を一枚ごとに二つ折して,折り目(外側)に沿って5mm幅ほど,のり付けして重ねて貼り合わせ,表紙をつけて冊子としたもの。のりを用いて各葉をとじつけるので〈粘葉〉といい,それ以前の折本(おりほん)や旋風葉に代わって盛んとなった。表紙には,背の部分を紙や布(絹)で包み,前後別々に表紙を添えるものと,または一枚の表紙で前後を包み,背の部分をのり付けにした,包み表紙がある。のり付けされた丁を見開くと,チョウが羽根を広げた形になるので,中国では蝴蝶装と呼ぶ。…
※「胡蝶装」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
小麦粉を練って作った生地を、幅3センチ程度に平たくのばし、切らずに長いままゆでた麺。形はきしめんに似る。中国陝西せんせい省の料理。多く、唐辛子などの香辛料が入ったたれと、熱した香味油をからめて食べる。...
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