天皇の結婚。大宝・養老令制によると,後宮には嫡妻である皇后のほかに,妃・夫人・嬪(ひん)がおかれ,皇后は内親王に限り,その他は貴族出身の女子としたが,大婚の儀制は制度的にも実際的にも明らかではない。ついで奈良時代中期に夫人から皇后に昇る例が開かれ,さらに平安時代に入ると,妃・夫人・嬪の制がしだいにすたれ,代わって女御・更衣がおかれ,なかんずく皇族や摂関家などの上級貴族の女が女御となり,やがて女御から皇后に昇るのが常例になって女御の地位が高まると,女御入内が大婚に相当するようになり,盛大な儀式が行われた。しかし明治維新後,女御など後宮制度が改革され,天皇の妻后が皇后1人になると,大婚と同時に立后の儀が行われて,大婚すなわち立后を意味するようになった。その儀は,1910年制定の皇室親族令に詳細に規定されているが,平安時代以来の女御入内の儀を取り入れた古式豊かな儀制である。なお大婚は天皇が満17歳に達した後に行うとし,皇后たるべき人(后氏という)は満15歳以上の皇族または特定の華族の女子と定め,大婚と同時に立后の詔書を発することとしたが,第2次大戦後,皇室典範をはじめ皇室関係法令の改廃が行われ,后氏に対する制限が解除されるなどの変更が加えられている。しかし皇太子の婚儀は大婚に準じて行われるとの皇室親族令の規定により,1959年の皇太子の結婚式は旧皇室親族令の規定に準拠して行われた。
執筆者:米田 雄介
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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