朝日日本歴史人物事典 「大村彦太郎(初代)」の解説
大村彦太郎(初代)
生年:寛永13(1636)
江戸前期の商人。幼名は彦四郎。号は可全。屋号は白木屋。近江国(滋賀県)長浜村生まれ。幼くして父母を失い,母方の長浜の材木商河崎家で育った。慶安4,5(1651,52)年ごろ,河崎家の援助で京都に材木店を出店,さらに寛文2(1662)年に江戸の通町に小間物店を設け,本格的に江戸での商売を始めた。以後,呉服の取り扱いを拡大し,元禄10(1697)年には本町通の大呉服店17軒の一角に挙げられるに至っている。初代彦太郎によって地歩の固められた白木屋は,江戸の代表的な呉服問屋として,戦後,東急百貨店日本橋店となるまで続いた。<参考文献>『白木屋三百年史』,林玲子『江戸問屋仲間の研究』
(谷本雅之)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報