大杯(読み)オオサカズキ

デジタル大辞泉 「大杯」の意味・読み・例文・類語

おお‐さかずき〔おほさかづき〕【大杯】

大きな杯。たいはい。
歌舞伎狂言大杯觴酒戦強者おおさかずきしゅせんのつわもの」の通称

たい‐はい【大杯/大×盃】

大きなさかずき。大白

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精選版 日本国語大辞典 「大杯」の意味・読み・例文・類語

おお‐さかずきおほさかづき【大杯・大盃・大觚】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 酒をたくわえる壺。〔伊呂波字類抄鎌倉)〕
    2. 大きな杯。
      1. [初出の実例]「御さか月、二こんより大さか月いたされておとさるる」(出典:御湯殿上日記‐延徳四年(1492)三月一日)
  2. [ 2 ] 歌舞伎。時代物。一幕二場。本名題大杯觴酒戦強者(おおさかずきしゅせんのつわもの)」。河竹黙阿彌作。明治一四年(一八八一東京猿若座初演。武田の旧臣馬場三郎兵衛が足軽として内藤家に奉公中に、井伊掃部頭(かもんのかみ)の酒の相手をして大杯をのみほし、額の傷の話から、いちやく千五百石の武士にとりたてられるという筋。

たい‐はい【大杯・大盃】

  1. 〘 名詞 〙 大きなさかずき。巨杯。大白。
    1. [初出の実例]「大盃の十度入りなんど云様なに一盃こぼれこぼれうけてすきと飲で」(出典:三体詩幻雲抄(1527))

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[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクション 「大杯」の解説

おおさかずき【大盃】

群馬の日本酒。幕末の幕府勘定奉行・小栗上野介が遣米使節として渡米した際、蔵元先祖が随行した。酒名は、帰国後「長盛」という酒を、大きな盃で祝杯をあげたことにちなみ「大盃」と改銘。大吟醸酒純米吟醸酒、吟醸酒、純米酒、本醸造酒、普通酒がある。平成2、7、9、17年度全国新酒鑑評会で金賞受賞。原料米は山田錦、若水など。仕込み水は榛名山伏流水。蔵元の「牧野酒造」は元禄3年(1690)創業。所在地は高崎市倉渕町権田。

出典 講談社[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクションについて 情報

歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「大杯」の解説

大盃
(通称)
おおさかずき

歌舞伎・浄瑠璃外題
元の外題
大杯觴酒戦強者 など
初演
明治14.5(東京・猿若座)

大杯
(通称)
おおさかずき

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
元の外題
大杯觴酒戦強者
初演
明治14.5(東京・猿若座)

大盃
おおさかずき

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
初演
明治15.3(一身田常磐座)

出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報

動植物名よみかた辞典 普及版 「大杯」の解説

大盃 (オオサカズキ)

植物。ツツジ科のサツキの園芸品種

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の大杯の言及

【カエデ(楓)】より

… オオモミジの園芸品種も多く,斑入葉もあるが,庭木として植えられている野村カエデは,春,葉の萌芽したときは紅紫色で,夏には緑色になる。秋の紅葉が美しい大盃(おおさかずき)は紅葉後も長く枝に残り,紅葉が黄色になる一行寺(いちぎようじ)などと混植するとよい。〆の内(しめのうち)は葉が全裂し線形で3裂や5裂,7裂などになり,七五三ともよばれる。…

※「大杯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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