大瀬崎(静岡県)(読み)おせざき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「大瀬崎(静岡県)」の意味・わかりやすい解説

大瀬崎(静岡県)
おせざき

静岡県伊豆半島の北西端の岬。沼津市西浦海岸の西端、達磨山火山(だるまやまかざん)の斜面が海に達した所の岬で約1キロメートルほど駿河湾(するがわん)に突出し、沖合いには暗礁がみられ、海水が瀬をなすという。外海側から岬端(こうたん)にかけては巨礫(きょれき)からなる礫浜であるが、内湾側は砂浜で富士の眺めのよい海水浴場である。

 岬は樹林に覆われ、国の天然記念物に指定されたビャクシン樹林は樹齢約1000年を保ち、約130本の群落本州の北限である。また、照葉樹林のイヌマキも特色ある植相をもっている。岬の中央には、神池(面積800平方メートル)という直径100メートルほどの円形の淡水湖があり、海面と同じ高さで、海からわずか50メートルの所にありながら淡水魚が生息する。これは、地下水の湧出(ゆうしゅつ)が涵養(かんよう)源といわれる。大瀬神社や、無人灯台もある。

[北川光雄]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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