大蔵神社(読み)おおくらじんじや

日本歴史地名大系 「大蔵神社」の解説

大蔵神社
おおくらじんじや

[現在地名]吉野町大字南国栖小字深山

吉野町の東端、川上村東川うのがわに通ずる衣笠きぬがさ山上の南斜面に鎮座国栖くず地方一円の総鎮守で、祭神大倉比売おおくらひめ命・岩押別いわおしわく命・鹿葦津比売かしつひめ命。旧村社。「大和志」に「川上鹿塩神社」として「在樫尾東川南国栖三村之交界今称大蔵明神国栖荘七村民家相共預祭祀」とあるように、当社を「延喜式」神名帳に載る吉野郡川上鹿塩かわかみかしお神社に比定する説もあった。本殿に接して神宮寺庭園や広い寺屋敷跡がある。東川村と南国栖村民の氏神として崇敬されたが、明治の廃仏毀釈で寺は廃寺となった。数十年前まで東川と国栖くず六大寺が祭礼に参加したといい、神前に国栖郷からの天明六年(一七八六)の常夜灯と東川若連中からの弘化四年(一八四七)の石灯籠がみられる。


大蔵神社
おおくらじんじや

[現在地名]田沢湖町岡崎 大倉沢

院内いんない岳の中腹、標高三〇〇メートルの地にある。祭神は大国主命、明治初年現社名に改称

秋田風土記」には千手観音とあり、「村より一里許山上在、秘仏。寺領十石四斗三升五合。別当金剛院縁起に曰、大同年中秋田郡阿仁大滝丸と云賊退治のため、田村将軍奥羽鎮守府より駕を発す。此観音に詣て鬼賊征伐を祈願す。賊徒束に亡。帰陣の時又此山に上り、鎧の引合せに鋳込む処の観音の像を納む」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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