大袖(読み)オオソデ

デジタル大辞泉 「大袖」の意味・読み・例文・類語

おお‐そで〔おほ‐〕【大袖】

宮中で、礼服らいふく着用の際、小袖の上に着た表衣うわぎ袖口が広く、たもとが長い。
中世よろい付属の袖。幅が広く大きく、鎧の肩から垂らして、盾の代用となる。大袖の鎧。
幅広く仕立てた袖。広袖

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精選版 日本国語大辞典 「大袖」の意味・読み・例文・類語

おお‐そでおほ‥【大袖】

  1. 〘 名詞 〙 衣服の幅の広い袖。
  2. 朝廷の、即位朝賀(ちょうが)などもっとも重要な儀式に用いる、礼服(らいふく)の上の衣。小袖の上に着し、袖口が広く、たもとが長い。〔満佐須計装束抄(1184)〕
    1. 大袖<b>①</b>
      大袖
  3. 中世の鎧(よろい)付属の袖。幅が広く大きく、鎧の肩から垂らして二の腕を守る。室町末期から用いられた、広袖、壺袖に対していう。
    1. 大袖<b>②</b>
      大袖
  4. 若衆(わかしゅ)の着る振袖など幅広く仕立てた袖。広袖。
    1. [初出の実例]「(もめん)の大袖をうち掛、是をと手枕の夢法師」(出典浮世草子好色五人女(1686)五)

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百科事典マイペディア 「大袖」の意味・わかりやすい解説

大袖【おおそで】

奈良時代礼服(らいふく)の衣。衿(えり)は垂領(たりくび)で,袖は袖付より袖口のほうが広く,袖口は縫い合わせない。この袖の形は平安時代(うちき)などに継承されている。大袖は位階によって色が異なった。
→関連項目小袖

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