天念寺(読み)てんねんじ

精選版 日本国語大辞典 「天念寺」の意味・読み・例文・類語

てんねん‐じ【天念寺】

大分県豊後高田市長岩屋にある天台宗の寺。山号は長岩屋山。養老年間(七一七‐七二四仁聞創建と伝えられる。天正一四年(一五八六兵火により焼失。延宝年間(一六七三‐八一)島原藩主松平氏が再建旧正月修正鬼会(しゅしょうおにえ)は国重要無形民俗文化財に指定されている。

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日本歴史地名大系 「天念寺」の解説

天念寺
てんねんじ

[現在地名]豊後高田市長岩屋

山の北方長岩屋ながいわや川流域の狭隘な地にある。長岩屋山と号し、天台宗。養老二年(七一八)仁聞の開基という。織豊期以降の成立と推定される六郷二十八山本寺目録(太宰管内志)に「長岩屋山天念寺」とみえ、正宗分中山一〇ヵ寺の一にあげられる。建武四年(一三三七)六月一日の六郷山本中末寺次第并四至等注文案(永弘文書)によると、寺域は「限東赤丹畑大タウケ(峠)ト号 限西恒吉西福寺下谷 限南尾ノ鼻ヨリ加礼河マテ大道 限北美尾」とあり、東境赤丹畑あかにはた大峠を長岩屋川上流、現真玉またま三畑の地蔵みはたのじぞう峠に比定、西境は大字新城しんじようの内に比定される。安貞二年(一二二八)五月には将軍家の祈祷所として、大将軍家(九条頼経)、大施主殿下(九条道家)、相模守平朝臣(北条時房)息災延命、聖朝安穏、異国降伏の大祈祷を行うための諸勤行・諸堂役祭が注進されている(「六郷山諸勤行并諸堂役祭等目録写」長安寺文書)。とくに文永・弘安の役に際してはほかの六郷山諸寺院にまさり、屋山長安ちようあん寺と肩を並べ、異国調伏等のための法会回数は年二〇回にも及んでいる(弘安七年九月日「六郷山異国降伏祈祷巻数目録写」同文書)

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