天手長男神社(読み)あめのたながおじんじや

日本歴史地名大系 「天手長男神社」の解説

天手長男神社
あめのたながおじんじや

[現在地名]郷ノ浦町田中触

鉢形はちがた山に鎮座。古くは若宮祠と称し、壱岐国一宮とされた。当社を含めた島民巡拝があり、七社参りとよばれた。旧村社。祭神天忍穂耳命・天手力男命・天鈿女命。弥生時代の鉢形山遺跡に祀られ、神功皇后の新羅出兵寄港地と伝える。「文徳実録」嘉祥三年(八五〇)一〇月二三日条にみえる「天手長男、天手長比両神」に比定され、ともに官社に列している。「延喜式」神名帳に石田いしだ郡一二座の一つとしてみえる名神大社天手長男アメタナカヲノ神社」を当社とする説がある(現芦辺町の興神社ともいう)。「大日本国一宮記」に壱岐石田郡の「天手長男神社 天思兼神一男」とあり、一宮であったことが知られる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

百科事典マイペディア 「天手長男神社」の意味・わかりやすい解説

天手長男神社【たながおじんじゃ】

長崎県壱岐市に鎮座。主祭神は天手力男命(あまのたじからおのみこと)・天忍穂耳命(あまのおしほみみのみこと)。延喜式内の名神大社。壱岐国一宮。神功(じんぐう)皇后新羅(しらぎ)出兵の寄港地の社と伝える。江戸期には平戸(ひらど)藩主から厚く崇敬され,また島民からも尊信され,祭礼全島挙げて行われた。社地は弥生時代遺跡の鉢形山(はちがたやま)遺跡にあり,江戸期に発掘された出土品のうち延久(えんきゅう)3年(1071年)銘の滑石製弥勒如来座像は重要文化財。

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デジタル大辞泉プラス 「天手長男神社」の解説

天手長男神社

長崎県壱岐市、壱岐島にある神社。“天手長男”は「あまのたながお」また「あめのたながお」と読む。創建年代は不詳。祭神は天忍穂耳命(あめのおしほみみのみこと)、天手長男命、天鈿女命(あめのうずめのみこと)。壱岐一之宮と推定される。

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