(小和田哲男)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報
安土(あづち)桃山時代の武士、軍記作家。通称又助(またすけ)、のち和泉守(いずみのかみ)となる。尾張(おわり)国(愛知県)安食(あじき)に生まれ、初め僧侶(そうりょ)であったというが、織田信長の弓衆となり奉行(ぶぎょう)を務めた。信長の死後は一時加賀松任(まっとう)に居住したが、のち豊臣(とよとみ)秀吉・秀頼(ひでより)に仕えた。信長・秀吉に近侍した経歴を生かし自身の手控えをもとに『信長公記(しんちょうこうき)』『大(たい)かうさまくんきのうち』『豊国大明神(とよくにだいみょうじん)臨時御祭礼記録』『関原御合戦双紙(せきがはらごかっせんぞうし)』『猪隈(いのくま)物語』などを著述した。1610年(慶長15)以降にかなりの高齢で没した。
[渡辺江美子]
安土桃山時代の武士,軍記作者。尾張の人。通称又助。織田信長に仕えて戦功をあげ,近江の奉行,さらにその死後豊臣秀吉のもとで検地奉行,蔵入地代官などを務める。晩年は軍記の著述に専念し,1610年(慶長15)84歳に至っても述作に励んでいたことが確認できる。著作として《信長記》《大かうさまくんきのうち》《関ヶ原御合戦双紙》《今度之公家双紙(《猪隈物語》)》《豊国大明神臨時御祭礼記録》などがある。
執筆者:久留島 典子
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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