太鼓音智勇三略(読み)タイコノオトチユウノサンリャク

デジタル大辞泉 「太鼓音智勇三略」の意味・読み・例文・類語

たいこのおとちゆうのさんりゃく【太鼓音智勇三略】

歌舞伎狂言時代物。4幕。河竹黙阿弥作。明治6年(1873)東京村山座初演。武田徳川戦い背景にした活歴かつれき風の作品で、のち新歌舞伎十八番編入された。通称酒井太鼓」。

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精選版 日本国語大辞典 「太鼓音智勇三略」の意味・読み・例文・類語

たいこのおとちゆうのさんりゃく【太鼓音智勇三略】

  1. 歌舞伎脚本。時代物。四幕。河竹黙阿彌作。明治六年(一八七三)東京村山座初演。「後風土記」にある酒井の太鼓の件に、徳川の家臣同士の不和や三方ケ原の戦いなどを織りまぜて脚色した。浜松城内太鼓櫓(やぐら)の場は新歌舞伎十八番の一つで、九代目市川団十郎の当たり芸。

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改訂新版 世界大百科事典 「太鼓音智勇三略」の意味・わかりやすい解説

太鼓音智勇三略 (たいこのおとちゆうのさんりゃく)

歌舞伎狂言。時代物。4幕。別名題《世響太鼓功(よにひびくたいこのいさおし)》。通称《酒井の太鼓》。河竹黙阿弥作。1873年3月東京村山座初演。配役は酒井左衛門・鳥井忠広を河原崎権之助(のちの9世市川団十郎),鳴瀬東蔵を5世尾上菊五郎。《三河後風土記》に材をとる。武田勢にかこまれた浜松城の徳川方が敗色濃くなったとき,城を預かる酒井左衛門忠継がわざと大酔,城門を開き,篝火(かがりび)をたき雲霞のごとき武田勢を眼下にして,臆せず城の櫓の太鼓を打ったので,城門まで押しよせた馬場美濃守は城中に深謀あるを信じて引きあげる。酒井が酔態によそえて主君家康をいさめ,将卒を励ましたのち太鼓を打つのがヤマ場。徳川の家臣鳥井と鳴瀬の確執和解の趣向は,団十郎と菊五郎との仲が和解した楽屋落ち的な事情をもからませてある。のち新歌舞伎十八番に編入。団十郎が演じた活歴風の演目中では息のながいもので,初世中村吉右衛門が得意とした。
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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「太鼓音智勇三略」の解説

太鼓音智勇三略
たいこのおと ちゆうさんりゃく

歌舞伎・浄瑠璃外題
作者
河竹新七(2代) ほか
初演
明治6.3(東京・村山座)

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